Sunday, September 09, 2007

"Middlesex", Jeffrey Eugenides, を読む

昨日晴れ、最高気温31度、今日は最高気温21度で一日静かな雨

Middlesexは主人公が子供の頃、家族ともども引っ越したデトロイトにある自宅の通りの名前。そして主人公のカルは男女両性を備えている。もし、これが日本の小説だと、社会状況と並行して、カルの肉体の変遷と精神心理を功名に表現し、カルの1世代の話となると予想される。でも、この小説は、カルの祖父母の第一次世界大戦中のギリシアの村の状況、命からがらの出国、そして新大陸アメリカデトロイトでの祖父母、両親、そしてカル、のギリシア移民三世代にわたる話となる。カルの祖父母と両親が、アメリカで礎を築いていく話は全ての移民に当てはまり、移民国家そして新大陸アメリカならではのものと思われおもしろい。また、デトロイトという自動車産業と人種問題の街の様子にも興味を持たされた。

映画にたとえると、ゴッドファーザーの構成でいけるかもしれない。パート1は、カルの女の子から男の子となる17歳までの話(アルパチーノ扮するマイケルがゴッドファーザーとなるまでの話)。パート2は、祖父母がギリシアからアメリカへ移民しアメリカでの基礎を築く時代(ゴッドファーザーのアメリカ移住とマイケルが生まれるまでの話)。二世代あとにカルが男女両性を備えて生まれてくる鍵がこの時にある。パート3は、現在の41歳のカルの話。つまり17歳以降の話。小説では片鱗しか語られていない。

補足だけど、日本の小説は1世代の話、もしくは今17歳の話、はたまたこの1週間の話といったものが多いように思う。村上春樹しかり、川上弘美しかり、小川洋子しかり、2005年あたりに読んだ芥川賞の「蛇にピアス」「蹴りたい背中」等々。これはこれで、かなりおもしろいけれど、こうした背後には、既に定着している核家族化、そして最近増えていると感じる単身赴任による家族分散の生活があるのではないかと思われる。今、日本に出稼ぎできて結婚等で日本に定着した家族の1、2世代後の人たちの書く小説が現れたらおもしろいかもしれない。

Wednesday, September 05, 2007

ニューヨーカーフェスティバルプログラム速報

晴れ、気温25度。明日は32度の予報

ネット情報特別メンバー宛に、今年のニューヨーカーフェスティバル(10月5-7日)のプログラム詳細が届いた。3冊目の本を執筆中で多忙のマルコムの名前はないのではと思ったけれど、土曜日の夜の「アイビーリーグは消滅すべきか」という題でAdam Gopnik (どういう人か不明:勉強不足)と討論するらしい。インタービューするマルコム、インタビューされるマルコムは見たことがあるけれど、デベートする姿はまだ見たことなし。知的に論戦する姿に興味あるなぁ。ちなみに、マルコムは、以前、アイビーリーグに関して(特に白人主義をつらのこうとするハーバード大学の事実)の記事をニューヨーカーに書いている。(入場料20ドル)

でも、興味を引いたのは、作家同士の対話セッション。6セッション予定されていて、一つはサルマンラシュディ(Salman Rushdie)とオーハンパムク(Orhan Pamuk,2006年のノーベル文学賞作家)二人の対話。サルマンラシュディの本はまだ読んでいないのだけど、社説、論説記事等を新聞で読み、非常に明確な文章で魅力を感じ、是非、彼の本を読みたいとうずうずしているところ(実はMidnight's Children が手元で待っている)。パムクの本は半分読み始めていて中断。冬が来るのを待っているところ。というのもSnowという題の本で、終始雪景色の情景が川端康成の冬の情景描写のように流れ、真夏に読むには不適と判断。寒くなったら、再開予定(入場料25ドル)。もう一つの作家同士の対話は、LorrieMoor(不明:勉強不足)とJeffrey Eugenides。実は今Jeffrey Eugenidesの本を読んでいるところ。毎日、早く家に帰って読みたい衝動に駆られている本。その感想は週末にかけると思う。とても強烈な本。その名も’MIddlesex"(入場料25ドル)。

行きたい!チケット発売は9月15日正午。入場券オンライン発売はニューヨーク都市区のみ。後は、フェスティバル本部での購入か電話での購入。去年の場合、電話はずっとお話中で繋がらず、人気のものはすぐさま売り切れるというのが実態である。

実は、このネット情報特別メンバーもアメリカ国内の人しか対照にしていなかったのを、編集者にメールして無理やりメンバーにしてもらった。。

行きたいなぁ。。10月のこの週末はカナダの感謝祭で3連休、でも、他の予定が入っていて。。。。ウーン。