Wednesday, July 16, 2008

デンマーク映画、「バベットの晩餐会」を観る

1988年に外国映画部門でオスカーを獲得しているデンマーク映画。なんとも後味のいい映画だった。

人里離れた超保守的なクリスチャンコミュニティの中にフランスからバベットがやってきて年老いた姉妹とそのコミュニティに住む老人達にお料理を作る。そして記念すべき晩餐会はバベットの強い希望で本格的なフランス料理となる。老人達はもちこまれる食材を見て目を丸くし、地獄に落ちるのではないかと思うくらい。

超保守的な社会の中にも当然のことながら人間の断片的な醜さを垣間見る。バベットの最高の晩餐で、老人達は、再び愛を語り、美味しいワインから喜びを感じ、不満や中傷ではなく大きな心で人々を受け入れる。

話はとてもゆっくりと進行し、ストーリーの展開に激しいアップダウンは全くなく、おとぎ話か抒情詩のごとくたんたんと進む。とても繊細なタッチで微妙な描写。そして不思議な感動を与え、後味のいい映画となっている。

Tuesday, July 15, 2008

アンディウォーホール博物館、ピッツバーグ、7月1日

アンディウォーホールがピッツバーグの出身とは以外や以外。ということで、鉄の街ピッツバーグにあるアンディウォーホール博物館を訪ねた。2年ほど前、トロントのアートギャラリーでアンディウォーホール展がありかなり興味深く鑑賞したのを覚えている。彼もやはり天才である。http://www.warhol.org/default.asp

ところが、この博物館の展示物内容は若干期待に反するものだった。ピッツバーグにある博物館ということで、見学者の数はニューヨークや他の都市でのそれと比べて激しく劣るのであろう。ということで、彼の作品は、世界各地の展示会場に持ち出されている、また、他のギャラリーでの常設展として展示され地元の博物館には保存されていないものが多いと思われた。

印象に残ったものは、各階に監視員としていた若いアーティストと思われるかっこいいお兄ちゃんたち。アンディウォーホールはピッツバーグにある芸術学校を出ている。おそらくそこの学生達なのであろう。見学者に構わず椅子に座ってスケッチしたり粘土をクネクネ練っていた。

ピッツバーブに行く朝、道に迷い、行ったり来たりしていたところ、再びおまわりさんに止められる。アメリカ映画の一場面みたいに、後ろからマイクロフォンで路肩に止めなさい!、車から出ようとすると、車の中に待機しなさい!と注意された(コワイ)。おとといに続いて2つ目のスピード違反!時速60kmくらいのところを85キロくらいで走っていたとのこと。実ははっきりと制限速度を意識していたのだけど、なんせ起伏があり、注意しないと下りではついスピードがでてしまう。万事休す!と思ったところ、カナダからの一人旅、道に迷ってぐるぐるしている、ピッツバーグのアンディウォーホール博物館に行こうとしていると説明したところ、親切にも行き方を説明してくれ、気をつけるようにといって釈放してくれた。これが幸運といわずしてなんであろう。。

ピッツバーグの町はほんの一角しか覗かなかったけれど、一時の繁栄はすっかり影をひそめているという印象を受けた。

再びフランクロイドライト、ペンシルバニア州へ、その2

2泊3日の旅の宿泊先は、100年の歴史をほこるSummit Inn Resort という名前のとおり山の頂上にあるトーマスエジソンも宿泊したというホテルに泊まる。

この宿はフランクロイドのウェブサイトから見つけたもので、大当たりのホテル。日曜日と月曜日に宿泊したこともあり、ホテルは5割程度の宿泊客。リゾート宿泊地として建てられたものなので、ゆったりとくつろげるようにとロビーやパティオのスペースがかなり広く心地良い。

今回は、強行日程をくまず、仕事から解放されてゆっくりと気分転換するということも目的だったので、初日はパティオで読書や書き物。2日目の夜は若干気温が下がり、ロビーにある大きな暖炉の前でロッキングチェアにすわりぼーっとして過ごした。宿泊客が少なかったこともあり、バーやレストランのウェイトレス、また暖炉に薪をくべる従業員みな親切で、まるで自分の別荘にでもいるような気分になった。以外や以外レストランの食事も腕のいいシェフがいるらしく満喫。http://www.summitinnresort.com/index.php?id=31

山の上ということで、天気は変わりやすく激しい雷雨の後はピンク色の夕日が広がり、眼下に広がる谷間から上がる花火が見えた。

再びフランクロイドライト、ペンシルバニア州へ、6月29,30日、7月1日、その1

シカゴですっかりフランクロイドライトの住宅に魅せられ、シカゴへ行くのに比べると距離的に100km程近いペンシルバニア州にあるFallingwaterハウスを見に行った。ピッツバーグを南に1時間程、山を越え、森と渓流が見事に住宅の一部となって調和した住宅が現れる。1934年に建設がはじまり、1936年から63年の間ピッツバーグのデパート経営者大富豪の別荘地として使われた。http://www.paconserve.org/index-fw1.asp
参加したのは通常1時間の一般見学コースではなく、2時間のじっくり鑑賞コース。一人の老人は、全く驚くねぇといった言葉を何度も繰り返す。70歳を超えていると思われる老夫婦はいたるところにあるフランクロイドの建築物を訪ねる旅をしているとのこと。もう一カップルは建築家と思われる夫婦だった。

ニューヨーク州を通りペンシルバニア州への運転。なんとも美しい景観で気を許して運転していたところ、ニューヨーク州でスピード違反をくらってしまった。おまわりさんがぴったりと後ろにしばらくくっついても、まさか自分とは思わず。ついに車が横にならび、路肩に止めなさいの指示。制限速度時速約110kmのところを132kmで走ってしまう。オンタリオ州の運転に比べて、かなりのろいのでついつい抜かして運転してしまった。

途中、何度か激しい雷雨にも遭遇。またピッツバーグの南で戦車を作る工場を道路からみた。組み立てたトラクターを外に並べている光景と何ら変わらぬといった形で、戦車があからさまに敷地内に並べられていた。こうしたところにアメリカの悲しいメンタリティを感じる。