Monday, November 24, 2008

メットオペラ;ドクターアトミック

11月8日の上映。地元の映画館は相変わらず観客数20人強。このままだと、来シーズンの上映は難しいかも、、と気をもむところ。

オペラのタイトルドクターアトミックは、原爆開発のマンハッタンプロジェクトの責任者であり科学者でもあるロバートオッペンハイマー(J. Robert Oppenheimer)を指す。このコンテンポラリーオペラは、1945年のニューメキシコでの原爆実験までのオッペンハイマーの苦悩とその政治的背景をつづる。

宣伝予告で観た時は、通常のオペラの愛と憎しみと狂気(?)なるもは見られず、今一乗り気のオペラではなかったのだけど、以外や以外、これがなかなかよかったのよね。なんでも、彼らの歌う歌詞は、あるものは残された記録文書のものにメロディをつけるというかなりユニークなものだったらしい。定番オペラではなく、こうしたコンテンポラリーなものに取り組むところはさすがだなぁと思う。

マルコムグラッドウェル待望の3冊目出版!!出版記念をかねて世界中ひっぱりだこ

今年は冬が早い。今日は霙。ガソリン料金はリットルあたり76セント。あれよあれよというまに一時の高値から60セントも下がってしまった。

本のタイトルは、"Outliers; The Story of Sucess"。アウトライアーとは、常道から外れるといった意味をもつ科学用語らしい。例えば、パリの夏は暑い、でも仮にパリの夏に雪が降るとすると、それはアウトライアーとなるわけ。

サブタイトルが「成功物語」というちょっとぱっとしないもののような印象をうけるけれど、そこはマルコム、成功者の秘訣をその生い立ちをたどるのではなく、データをもって分析する。たとえば集中度10000時間がどうも成功の分岐点のひとつらしい。

ということで、今週は英国で、来週はカナダのトロント大学のビジネススクールで講演(参加費31ドル、会社早退していこうかしら。。)。CNNのインタビューもうけたりと、もうもてもてです。

なんでもデイジーにこの本を捧げるとなっているらしい。インタビューによると、これは母方のおかあさんとのこと。今回のあとがきでしっかりと確認したいことは、Katherine Lyodという名前が再びでてくるかどうか。2冊目のBlinkのあとがきで、わずか1行の文章で彼女の名前がでている。なんでも執筆中のマルコムの健康と日々の生活を気遣ってくれた人らしいのだ。。。

Tuesday, October 28, 2008

「仏果を得ず」、三浦しをん、「波のうえの魔術師」、石田衣良、を読む

プロジェクトのピークが終わったことを確信。異常な残業もなく、5時で帰宅の途につくことができるようになりました。ちょっと燃焼症候群状態で、自分の生活パターンに戻るのに少々とまどっているところ。。

全く趣のことなる2冊の本で、一気に読み終える。読後の印象は、なんだか、何かをテーマとした漫画本の小説版といった感じ。たとえば「食」をテーマにした「美味しんぼ」とか、フランス革命を舞台とした「ベルばら」とか(古い!)。「仏果。。」は、読者に文楽を紹介するという点ではすばらしいし、キャリアをもつシングルマザーと文楽家との恋愛という形も日本では新鮮かもしれないけれど、文学として優れているかというと、今年度のヒットチャートをにぎわしたという程度のものにすぎないような。。。文章は結構読ませるかな。「波のうえの魔術師」にいたっては、1998年の日本金融破綻のさしせまった状況を総復習できるかもと思ったけれど、結局青春小説で終わってしまったという感じ。文体もつまらないし、人物描写が村上春樹のそれを真似ているような印象もうけないでもない(なんとかブランドの何を着ているとかね)。

前述の村上春樹のインタビューで、批判するのは簡単だしおもしろい、一方で、オリジナリティを発揮するのは非常に難しい、でも、誰かがオリジナリティを発揮せねばならないとある。

メットHDオペラ:サロメ、10月11日

1幕休憩なしのサロメは、中盤から一気に盛り上がり、フィンランド出身のソプラノ歌手カリタマティラの絶対的な迫力に圧倒された。

サロメの一場面で7つのヴェールを脱いでいくシーンがあり(いわゆるストリップです)、2004年にメットオペラでサロメを歌ったカリタは上半身裸の姿で観客と向かい合ったそうだ。ということもあり、今回メット総支配人は今回は上映スクリーンにそうした場面をお見せする事はありませんと先に説明があったらしい。実際は、上半身裸の後姿から、両手の平で乳房を隠すポーズで一瞬ふりむいた!ヨーロッパでは、数人のソプラノ歌手が上半身裸の姿を観客にみせており、あるソプラノ歌手はその姿で5分間も歌いつづけていたそうだ。

昨年のメットでカリタマティラはマノンレスコーの役を演じている。このときは、なんとなくヒステリックな印象で、迫力あるけれど、あまり好きなタイプじゃないなぁ~という印象だったけれど、今回の体当たりの演技で、ファンになったかな。

次回はメット初演のドクターアトミック。原子力爆弾発明者の話のよう。予告の感じではオペラというよりミュージカルの印象をうける。

村上春樹ニューヨーカーフェスティヴァルに登場:10月5日

ここのところ朝晩は零下。

毎年恒例のニューヨーカーフェスティヴァル。今年は村上春樹がゲストとして招待されインタビューを受けていた。なんでも、入場券は発売からわずか11分で売り切れるという記録的なものだったらしい(マルコム講演はいつも売り切れるけれど、11分以上かかっていたはず)。

村上によると、彼の小説の秘訣は、1.インスピレーション:ある日突然作家になった。どうして作家になったのかはわからない、2.文学に必要な要素を3つあげると:理性、調和、そして、即興性、3.はずみ:次のページをめくって読みたい、でも次のページにはなにもない、だから書かなくちゃいけない、次に何が起こるのかわからない、だから、書く、、の繰り返し。4.幸福:主人公が幸せだと、物語にならない、5.作家に必要不可欠な剛健さ:時にはロッキーになる必要あり、6.書くといくこと:喜び

観客の中から、村上の本を通じて日本人女性と結婚したというカナダ人が立ち上がり、妻から「こんにちは」とくれぐれも伝えてくれといわれましたと発言。そうすると、後方から、ぼくなんてオーストラリアから来たよ!との声があがったとのこと。

ニューヨーカーフェスティヴァルの入場券購入はかなり難しいとみているのだけど、みなどうにかこうにか購入しているのね。

村上春樹ってやっぱり世界的な人気作家なんだ。

Thursday, October 16, 2008

カナダ文明博物館へ行く;9月27日


9月26日の金曜日から28日にかけてオタワへ行ってきた。

今回は初めてのカナダ文明博物館へ足を運ぶ。ギリシア文明とヨーロッパ文化なる展示の最終日ということもあり、その日は結構な入場者数だった。ギリシア文明からビザンチン帝国の繁栄、そして現代にいたる。まるで世界史の総復習をしている感じだった。あ、そういえば、そんなこと習ったような。。。。グレングールドの展示もあったけれど、時間ぎれで足を運べず。。。

とても広い博物館の一部を歩いただけ、でも大ホールというトテームポールの聳え立つホールがあり、そこで、なにかのパーティーが企画されていた。二人のダンサーのリハーサルをそこで観る。

この博物館の建物はとてもユニークなデザイン。http://www.civilization.ca/splash.html子供博物館も併設されているようで、今「日本の自然との調和」なる日本の四季の風物詩なるものをやっているようだ。

Thursday, September 25, 2008

メットオペラシーズン始まる:オープニングナイト 9月22日

HD上映もこれで3シーズン目を迎えるけれど、平日の夜のオープニングナイトの上映は今回が始めて。何度も言うようだけれど、「労働者の町」と称している地元の映画館でのオープニングナイト、はたして観客はどのくらい(少ない)だろうかと思いながら足を運んだ。やはり少ない。。。う~ん10人かな。。

レネーフレミングのソプラノは素晴らしい。演技も上手。メットオペラ125年の歴史で初のオープニングナイトを飾る女性となったということ。3つのオペラから各一幕ずつのパフォーマンス。それぞれのドレスは有名デザイナーの手によるもので、さながらファッションショー。最初のラトラヴィアータの赤ワイン色のドレスが豪華、最後のカプリチオのドレスは、シックだったけれど、ガウンの感じがいわゆるねんねこスタイルに見えて仕方ない。そしてガウンを脱いだ時、レネーフレミングの背中に一本の襟巻きの黒い毛がくっついていたのが気になった(最初役柄で刺青かしらと思ったくらい)。そして、ねんねこガウンをまた身にまとった時、裾が折れて畳み込まれた感じでの着こなしとなってしまった。もう、このデザイナーにオペラ衣装の仕事はこないかも。。。

舞台はレネーの一人舞台。テナーもバリトンもかなり良かったけれど影をひそめていた感じ。NYタイムズの批評もレネーの演技のみ絶賛。オープニングナイトということで、一つの通しオペラではなかったので、個人的にはちょっと盛り沢山かなという印象。まさしく、レネーフレミングのためのオープニングナイトプログラムだったように思える。通常、このオープニングナイトは、政治家の所信表明のようにメトロポリタンオペラの今シーズンの意気込みを表すのが慣わしらしい。つまり、革新的なオペラや演出方法をこのオープニングナイトにもってくる。そうした意味では、今回の伝統的な3つのオペラでのオープニングナイトは例年のものとは異なるそうだ。これも、メットオペラスターレネーフレミングの3年前からの約束を実行したもので、2年前に就任したメットのジェネラルマネージャーもそれを変更する意向はなかったらしい。

Tuesday, September 23, 2008

ゴーシャとアレックスの結婚25周年記念:8月23日

ポーランド語の個人教師兼友人のゴーシャとアレックスの結婚25周年記念パーティーに呼ばれた。

ポーランドからゴーシャのご両親もみえて、総勢20人くらいの裏庭でのパーティー。通常、ポーランド人のパーティに行くとと小さい子供がわんさかいるのだけど、流石結婚25周年ともなると、子供も成長していて、同世代か上という年齢層の集まりだった。ちなみにゴーシャーとアレックスの子供二人は大学生と高校生。

ダンスミュージックはどちらかというと60年代あたりのものが主流だけど、ラップミュージックも混じる。印象的だったのは、ラップミュージックにあわせて、ゴーシャのパパとゴーシャの下の娘アシャが社交ダンス風に踊っていた事。ゴーシャのパパはしっかりと背広にネクタイ。

アレックスは長距離トラックの運転手で、家に戻るのは週に2日くらい。子供も順調に成長し、大きな家を構えるものの、ここのところのゴーシャの心境は複雑。というのも、ポーランドで大学を出て学校の教師をしていたゴーシャだけど、カナダでは、自分の満足する仕事につけない。少しでもいいお給料に、少しでも知的な仕事に、少しでも誇りを感じる職場に。。と思うのだが、ポーランド人に限らず移民の職探しは簡単ではない。あと数年で50歳を迎えると思うとさらに焦りはつのる。

こんなに職探しが大変だと知っていたら、カナダにはこなかったかも、、、とポロリ。。。

そういえばバッファローで。。

最高気温20度、週末から今週いっぱいは晴れ。もう夕方は涼しい。

ペンシルバニア州へフランクロイドライトのフォーリングウォーターハウスを見に行った時、バッファローからアメリカに入国した。その時、とても日本人びいきの入国審査官にあたった。そうしたら、あら、なんと昔日本で一斉を風靡したプロレスラーデストロイヤーの甥っ子というではないですか。デストロイヤー氏は、ここから20キロも離れていないところに今も住んでいるとのこと。

Friday, August 22, 2008

ヴィッキー、クリスチーナ、バルセロナ:ウッディアレンの新作をみる

確か今年のカンヌ映画祭で上映され、ウッディアレンの最近の映画の中では一際評判のいい映画として紹介されている。

ニューヨークでの撮影からすっかり影をひそめ、ここのところはイングランドでの撮影。そして、今回はスペインバルセロナでの撮影である。北米の街、文化自体、ウッディアレンにとっては魅力のないものになっているように思う。 ずっと昔は女同士の友情は続かないがごとくのイメージがあったけれど、この映画ではとてもカジュアルな女同士の友情、愛情が映し出される。そして、これは私達女性にとって、とても身近なものと思われる。

一方、魅力的なスペイン男性に比べ、登場する北米男性がいかに退屈でつまらないか映し出される。これは、物質的なものでしか価値を図ることの出来ない北米文化の産物に他ならない。特に、高収入を得るがため全てビジネスに関連した科目を履修することが成功の秘訣とされているような高等教育。枠にとらわれることなく幅広く学問を自由に学び、人間としての理想と哲学を学ぶという永遠の課題が大幅に歪曲されている。実際最近入社の大学出は、殆どビジネス関連のコースを習得している。理系専攻(数学専攻、コンピューターサイエンス専攻とか)もビジネスコースとの組み合わせはかかせないよう。 優秀ではあるけれど、なんか物足りない。。。と思えるのは自分の年のせいか。。。

やっぱりウッディアレンの映画はおもしろい。今一評のここのところの彼の映画、マッチポイント、スクープ、メリンダメリンダも実は好きなのよね。

シルクドソレイユ;Saltimbancoを観る

カナダが誇るワールドクラスのケベック発祥のサーカス団のショーをついに観る!

この20年あまり、タイムマガジンやメディアで多々紹介されていてずっと見たいと思いつつも機会がなかった。今回見たものは、シルクドソレイユの定番。アクロバティックな演技が強調されているショー。

下記サイトの左側のWatch a clip にいくと全容が伺える。http://www.cirquedusoleil.com/CirqueDuSoleil/en/showstickets/saltimbanco/intro/about.htm

当初人気が出た頃は、殆どがカナダのパフォーマーだったけれど、ここ最近はトップクラスの多国籍パフォーマーによる演技となっている。

いつか、ラスベガスのショー”O”をみたい。Oは驚愕の叫びイコールフランス語の水。舞台に造られた巨大な水槽でのパフォーマンスとなる。そのエンジニアリングの技術はまさに息をのむものらしい。

オタワ;ナショナルアートギャラリー:ヨーロッパ1930年:第二次世界大戦の前兆

モントリオールからオタワへ移動。

ナショナルアートギャラリーで1930年代のアートの展示を見る。ダリ、ピカソの絵画。そして恐ろしいほどに完璧な肉体を理想とし象徴する写真、マスゲーム。そしてファシズムの台頭。

1930年代が世界大恐慌後、なんとも暗い時代だったことをあらためて認識。

能天気な時代に生まれてよかった。。。と安堵。

モントリオールの建築

今年の夏は記録的な降水量を記録している。ほとんど夕方になると嵐のような雷雨となる毎日。やっと迎えたこの1週間の休暇は雨なしの最高のお天気。

7月にモントリオールを訪ねた。1年ぶりでいつもと違うルートで街をぶらぶらすると、ずいぶんと光景が変わっている事に気付きびっくり。モントリオールモダン建築の本によると、不景気と停滞の20世紀後半を経て、21世紀にはいってから(つまり2000年から2005年の間)に、かなりモントリオール建築の活性化が積極的に推し進められたとのこと。それは、高い次元におけるモダニズムとしてのポストモダニズム、再生のポストモダニズム(モダニズムに反する伝統への回帰)、モダニズムを超越するポストモダニズム(アートの終焉を認識せざる脅威)と説明されている。
建物はカラフルで正面から眺めるとフラットTVのごとくとても薄っぺらな厚みのない印象を与える。http://www.imtl.org/montreal/image.php?id=3820
http://www.imtl.org/montreal/building/UQAM-Pavillon-des-sciences.php
http://www.imtl.org/montreal/building/Le-crystal-de-la-Montagne.php
http://www.imtl.org/montreal/building/Hotel-InterContinental-Montreal.php
http://www.imtl.org/montreal/building/Le-Palais-des-Congres-de-Montreal.php

やっぱりモントリオールは魅力的な街。

Wednesday, July 16, 2008

デンマーク映画、「バベットの晩餐会」を観る

1988年に外国映画部門でオスカーを獲得しているデンマーク映画。なんとも後味のいい映画だった。

人里離れた超保守的なクリスチャンコミュニティの中にフランスからバベットがやってきて年老いた姉妹とそのコミュニティに住む老人達にお料理を作る。そして記念すべき晩餐会はバベットの強い希望で本格的なフランス料理となる。老人達はもちこまれる食材を見て目を丸くし、地獄に落ちるのではないかと思うくらい。

超保守的な社会の中にも当然のことながら人間の断片的な醜さを垣間見る。バベットの最高の晩餐で、老人達は、再び愛を語り、美味しいワインから喜びを感じ、不満や中傷ではなく大きな心で人々を受け入れる。

話はとてもゆっくりと進行し、ストーリーの展開に激しいアップダウンは全くなく、おとぎ話か抒情詩のごとくたんたんと進む。とても繊細なタッチで微妙な描写。そして不思議な感動を与え、後味のいい映画となっている。

Tuesday, July 15, 2008

アンディウォーホール博物館、ピッツバーグ、7月1日

アンディウォーホールがピッツバーグの出身とは以外や以外。ということで、鉄の街ピッツバーグにあるアンディウォーホール博物館を訪ねた。2年ほど前、トロントのアートギャラリーでアンディウォーホール展がありかなり興味深く鑑賞したのを覚えている。彼もやはり天才である。http://www.warhol.org/default.asp

ところが、この博物館の展示物内容は若干期待に反するものだった。ピッツバーグにある博物館ということで、見学者の数はニューヨークや他の都市でのそれと比べて激しく劣るのであろう。ということで、彼の作品は、世界各地の展示会場に持ち出されている、また、他のギャラリーでの常設展として展示され地元の博物館には保存されていないものが多いと思われた。

印象に残ったものは、各階に監視員としていた若いアーティストと思われるかっこいいお兄ちゃんたち。アンディウォーホールはピッツバーグにある芸術学校を出ている。おそらくそこの学生達なのであろう。見学者に構わず椅子に座ってスケッチしたり粘土をクネクネ練っていた。

ピッツバーブに行く朝、道に迷い、行ったり来たりしていたところ、再びおまわりさんに止められる。アメリカ映画の一場面みたいに、後ろからマイクロフォンで路肩に止めなさい!、車から出ようとすると、車の中に待機しなさい!と注意された(コワイ)。おとといに続いて2つ目のスピード違反!時速60kmくらいのところを85キロくらいで走っていたとのこと。実ははっきりと制限速度を意識していたのだけど、なんせ起伏があり、注意しないと下りではついスピードがでてしまう。万事休す!と思ったところ、カナダからの一人旅、道に迷ってぐるぐるしている、ピッツバーグのアンディウォーホール博物館に行こうとしていると説明したところ、親切にも行き方を説明してくれ、気をつけるようにといって釈放してくれた。これが幸運といわずしてなんであろう。。

ピッツバーグの町はほんの一角しか覗かなかったけれど、一時の繁栄はすっかり影をひそめているという印象を受けた。

再びフランクロイドライト、ペンシルバニア州へ、その2

2泊3日の旅の宿泊先は、100年の歴史をほこるSummit Inn Resort という名前のとおり山の頂上にあるトーマスエジソンも宿泊したというホテルに泊まる。

この宿はフランクロイドのウェブサイトから見つけたもので、大当たりのホテル。日曜日と月曜日に宿泊したこともあり、ホテルは5割程度の宿泊客。リゾート宿泊地として建てられたものなので、ゆったりとくつろげるようにとロビーやパティオのスペースがかなり広く心地良い。

今回は、強行日程をくまず、仕事から解放されてゆっくりと気分転換するということも目的だったので、初日はパティオで読書や書き物。2日目の夜は若干気温が下がり、ロビーにある大きな暖炉の前でロッキングチェアにすわりぼーっとして過ごした。宿泊客が少なかったこともあり、バーやレストランのウェイトレス、また暖炉に薪をくべる従業員みな親切で、まるで自分の別荘にでもいるような気分になった。以外や以外レストランの食事も腕のいいシェフがいるらしく満喫。http://www.summitinnresort.com/index.php?id=31

山の上ということで、天気は変わりやすく激しい雷雨の後はピンク色の夕日が広がり、眼下に広がる谷間から上がる花火が見えた。

再びフランクロイドライト、ペンシルバニア州へ、6月29,30日、7月1日、その1

シカゴですっかりフランクロイドライトの住宅に魅せられ、シカゴへ行くのに比べると距離的に100km程近いペンシルバニア州にあるFallingwaterハウスを見に行った。ピッツバーグを南に1時間程、山を越え、森と渓流が見事に住宅の一部となって調和した住宅が現れる。1934年に建設がはじまり、1936年から63年の間ピッツバーグのデパート経営者大富豪の別荘地として使われた。http://www.paconserve.org/index-fw1.asp
参加したのは通常1時間の一般見学コースではなく、2時間のじっくり鑑賞コース。一人の老人は、全く驚くねぇといった言葉を何度も繰り返す。70歳を超えていると思われる老夫婦はいたるところにあるフランクロイドの建築物を訪ねる旅をしているとのこと。もう一カップルは建築家と思われる夫婦だった。

ニューヨーク州を通りペンシルバニア州への運転。なんとも美しい景観で気を許して運転していたところ、ニューヨーク州でスピード違反をくらってしまった。おまわりさんがぴったりと後ろにしばらくくっついても、まさか自分とは思わず。ついに車が横にならび、路肩に止めなさいの指示。制限速度時速約110kmのところを132kmで走ってしまう。オンタリオ州の運転に比べて、かなりのろいのでついつい抜かして運転してしまった。

途中、何度か激しい雷雨にも遭遇。またピッツバーグの南で戦車を作る工場を道路からみた。組み立てたトラクターを外に並べている光景と何ら変わらぬといった形で、戦車があからさまに敷地内に並べられていた。こうしたところにアメリカの悲しいメンタリティを感じる。

Saturday, June 14, 2008

古本屋みつける

先週のサルマンラシュディ講演会の行われた街にまた行ってみた(20キロくらい離れたところにある)。マコンドという古本屋を友人が教えてくれたからだ。マコンドはガルシアマルケスの百年の孤独にでる架空の町らしい。

日本の古本屋にはまだ負けるけれど、かなりおもしろい本屋だった。本の種類が豊富なこと。そして、まだかなり新しい。本屋で本を探す楽しみを味わえるところでる。2時間ほど狭い店の中をぐるぐるとし、数冊買ってしまった。

そして、次に見つけたのは小さなCD屋。クラシック、オペラ、ジャズ、ブルース、そしてワールドミュージックを取り扱う。品数は少ないけれど、チェーン店のCD屋で、この種のCDを揃えているところはない。

確かにインターネットで検索すればなんでも購入できるけれど、本やCDを手にとって買い物するというのは楽しい。

早期退職、ローナの場合

最高気温28度。曇りから晴れ。ちょっとムシムシ。

昨日はローナの退職日で、水曜日に退職おめでとう会があった。強烈なブルドック顔といつもポジティブな姿勢の彼女は猛者の多い会社の中で人気があり、昔の写真もいっぱいスクリーンに映し出される。涙のお別れ会になるかと思いや、流石ローナ。皆を笑わせ、20年はあっという間にたつというメッセージを私達に残してくれた。

ローナは60歳に近いくらいじゃないかと思われる。明日の日曜日には早速、故郷のアイルランドに飛び、母親の93歳の誕生日に望むとのこと。そして、退職後の生活はアイルランドでのB&Bの経営だ。これから、建築許可を申請するということで、これはなかなか大変なことらしい。もし、許可がおりないようであれば、カナダでインテリアコーディネータなどの仕事にとりくむとのこと。これから、また彼女のチャレンジが始まる。

60歳はまだ若い。現在の人間の寿命を考えると、確かに次があるって思えてくる。

Sunday, June 08, 2008

サルマンラシュディ講演会

気温32度。ムシムシ。強風。夕方雷雨。ガソリンリットル1ドル34セント。

だめもとで、やはり講演会に足を運んだ。そして、やっぱりダメだった。。。教会入り口には体格のいい男性がたっていて厳しくチケットのチェック。おねが~いとすがる数人にチケットがないと入場できませんと対応していた。またまた悔しさがこみ上げる。

帰り道は、雷雨竜巻警報の出ている中運転。黒い雲の下をちょうど走った感じで、大粒の雨と雷の中を走りぬけた。

教会の近くにカーウォッシュならぬ、ドッグウォッシュの場所を見つける。

Saturday, June 07, 2008

またまた地元講演会をのがす、、サルマンラシュディ

隣町の本屋が30周年記念をかねてサルマンラシュディの講演会を開くと知ったのはかれこれ一月半前。10ドルで彼の新刊朗読とお話が聞けるという事でずっと楽しみにしていた。

しかし、、、田舎の隣町。。。ということで、あなどったのがまずかった。。今日、「明日のチケットちょうだい」、って行ったところ、前日に何を今更という態度で呆れられた。講演会会場も当初の400人収容できる教会から600人プラス100席椅子を並べることのできる教会に変わったんだよって。つまり700枚のチケットがあっという間にうりきれたのだった。。。「彼は大物だし、このグエルフ(田舎の隣町の名前)はクールな街なんだ」なんて自負された。でもさ、ねぇ、なんとかどうにかならない??当日並んだらどうにかなる?とかしばらく粘ったものの。無理だねって。ガーン

確かに農学部や獣医学部に抜きん出る大学がある古い街である。後ろにいた女性が、「我町の住民が文化的行事にこうした形で反応した(700枚即売)というのはうれしいことね」といっていた。

う~ん、やぱり仕事に忙殺されていると、こうしたことに手を打つ時間も損なわれてしまっているのかもしれない。。。

"Beach Music", Pat Conroy を読む

晴れ、ムシムシ、最高気温32度。ガソリン代はついにリッターあたり1ドル34セント!!

旧隣人のおじさんが勧めてくれた本。この作者はバーバラストライサンドとニックノルティ主演の映画「プリンスオフタイド」の作者ということもあり読む気になった。この映画、結構好きな映画なのだけど、後半の余計なラブシーンが映画の緊張感をたるませるところかな。ということで、「プリンスオブタイド」を読むつもりが、本屋で手に入らず(カナダの本屋は全く本の品揃えが悪い)、この「ビーチミュージック」にとりかかることになった。

ジョージア州の隣にあるサウスカロライナ州を舞台に繰り広げられる幼なじみとその家族の話。ここには、ポーランドからの強制収容所から生き延びたユダヤ人老夫婦もでてくる。おじさんいわく、ストーリー性があり読ませる本ということだった。確かにそうなんだが、、そして大いに楽しんだのだが、ストーリー性という点ではジョンアービングの方が優れているなぁと思う。なんというか、ジョンアービングの小説は突拍子もないところもあるのだけどしみじみと伝わってくる。ビーチミュージックはストーリー性はあるしうまく表現されていると思うけれど、ちょっとハリウッド映画のウルサイストーリー性を感じたのよね。全ての登場人物一人一人が皆複雑なバックグランドを持っていて、その種明かしが全て最後に一気にやってくる。見せかけ自殺事件とか、愛情表現の下手な軍人の父親が死んだと思われた息子をイタリアで追い詰めるとか、ハイウッド映画っぽい。こうしたストーリーを映画でしか感じることの出来ない私は、なんかウソっぽいなんて思ってしまう。北米人は、こうした展開を身近に感じるのだろうか。

今年は、まだ全然本が読めていない。。 次はこの間シカゴ大学の近くの本屋で見つけたプリンスオブタイドにとりかかろうか。。。

Saturday, May 24, 2008

Malcolm Gladwell の地元講演会を逃す

Malcolm が5月12日にこの地元で新しく建てられるコミュニティー健康管理センターの寄付金集めのための講演をしていた。。。150ドルの講演プラス夕食会。

旧隣人を夕食に招いた時、おばさんがそんな話をしていたのだけど、なんとなく真剣味に欠けて聞いていたのよね。メノナイト系の健康管センターのために彼が講演するなんてしっくりいかなかったから。。。
12日は母の日開けの月曜日。母の日と父の日には里帰りするのかもしれない。去年マルコムに会ったのも大学から名誉博士号を受けた時でもあったけれど、父の日の休日だった。

日本におけるマルコム研究一人者としては、失策。面目なし。。そして、、とてもがっかり。。。他に誰も教えてくれなかったのね。。。

Frank Lyod Wright はやはり天才だ!

シカゴでフランクロイドライトの自宅兼スタジオと当時の自転車製造会社のFrederick Robieの依頼を受けてデザインしたRobieHouseを見学した。全くの野っ原で馬車が通っていた時代の1899年と1902年に造られた家。21世紀の今に見ても、全く違和感なしのシンプルでモダンな建物である。そして、こんな家に住みたいと思わせる住宅建築。フランクロイドは日本では、帝国ホテルと聖心女子大学の建築を手がけた。

住宅建築においては、ローカルの素材を使い、自然と調和する。フランクロイドの自宅には木の幹が家の中を通る。あえて切断しなかったのである。絵は飾らずステンドグラスで囲まれた家。そのガラス戸から広がる野原をみわたす。住宅、そしてその部屋の本来の目的を明確にし、無駄を省いたデザインは素晴らしい。家具も彼のデザインのもや作り付けのもの。それ以上のものはいらないということらしい。すわり心地の悪そうなダイニングの椅子は、そこに家族が座るとそれぞれが額縁の中に納まる形となる。

次は有名なペンシルバニアにあるウォーターハウスを見に行きたい。

Thursday, May 22, 2008

コンドミニアムの年次報告会

5月22日、晴れ、寒い。最高気温はわずかに11度。週末は23度くらいになるらしい。

昨日の夜、コンドの年次総会が夜7時半からあり参加した。60-70人くらい参加していただろうか。住人の約6割の参加者と委任状受け取り数で会議は成立。予想反せず、参加した99%は老人で、30代と思われるカップルが一組。会議開始と同時に、マーガレットというご夫人が、すっと手を上げ、「私のために皆と違う楽な椅子を用意してくれてどうもありがとう」の一言。彼女は歩行補助機でご主人とやってきた。会議が順調に進むかと思いきや、質疑応答の時間で私の隣に座っていたおじいさんが、立ち上がりマイクに向かって歩き、この無駄遣いはけしからん、プールの補修をお願いしたのに、理事会メンバーは何もしなかった等々、日頃の鬱憤を晴らすがごとく、まとまりないながらも発言。結局、理事から、「でも、もう直ったんだからいいじゃないか、まぁ、お座りなさい」と言われ、発言者のおじいさん、ぷいと怒って会場から出て行ってしまった。あらら、なるほど、老人ホームで些細な事から殺人に繋がる事件があることをちらりと脳裏をかすめる。いくつになっても楽しく生きていくということは大変なようだ。

築17年のこのコンド。やはり大なり小なり問題はある。今回理事会メンバーの選挙ということで、新人一人(同じ階のゲイのジョン)と現職の二人が立候補。すんなりと現職の二人が再任となった。再任の二人は80歳近いと思われる。もちろん、まだまだ頭脳明晰、元気なのだが、50代60代前半の若干若者としては、老人ホームのなぁなぁもいいけれど、ここで心機一転するべきではないかと感じているようだ。

会議は30分で終わり、そのあとワインやビール、サンドイッチにシュリンプカクテル、フルーツ、お菓子と並べられ、歓談の時間。マーガレットも、ワイン片手にしながら、ゲイのジョンに向かって私に言い寄っても無駄よなんていって皆を笑わせていた。ちなみにマーガレットは85歳か90歳に近いと思われる映画タイタニックのローズ役のおばあさんに似たご夫人である。

Wednesday, May 21, 2008

シカゴに行ってきた 5月16日~5月20日

シカゴを舞台にした映画を思い浮かべると、アルカポーネのギャングスター物(題名が思い出せない)、ポーランド人のおばさんから安アパートを借りる場面のあるハリソンフォードの「逃亡者」も、ポーランド国内についでポーランド人人口の多いシカゴだったように思う。"Harry met Sally"は、シカゴ大学卒業から話が始まったような。比較的最近のものではリチャードギアの「シカゴ」か。

1871年にシカゴ大火災で街は全焼。これを機に木造建設は禁止となり、シカゴ建築史が紐解かれる事となる。1873年、米騒動なるパン騒動に引き続き、鉄道労働者の8時間勤務体制要求ストライキ。警察が労働者を殺害したことから、爆弾爆発など暴動となり、4人が処刑される。これは、アメリカ史の中でも、最悪の正義に反した判決となったそうだ。文化面では1879年に美術館開設、1890年にはシカゴ交響楽団、シカゴ大学の設立となる。勢いにのって1893年に国際見本市が開催される。白い大理石で造られた見本市会場には2千500万人の入場者を迎えるが、終了後、経済停滞の空気を感じてか、建物は無残にも破壊され社会秩序の安定を欠いたそうな。1914年までにヨーロッパからの移民、そして綿花栽培の機械化によりアメリカ南部から大量の黒人が流れてきた。1910年に1.4万人だった黒人人口が1920年代初頭には11万人に膨れ上がる。人種差別が生まれ、禁酒法の時代を迎え、アルカポーネの時代となるわけである。

多くの都市がそうであるように、経済成長を伴う都市の発展とともに、社会格差は広がる。この様子は、大学受験に向けて一握りの優等生だけをぐいぐいと引っ張り、大半を占める他学生を無視して落ちこぼれとしていくどこかの教育制度に似ているような。そのしわ寄せは様々な形で現れる。どんな状況においてもバランスを保つというのは難しい事である。

シカゴのあるイリノイ州やインディアナ州は中西部と呼ばれる(mid west) 。西部開拓前、東部からみると確かに中西部なのだろう。でも、時にこの中西部という呼称は皮肉っぽく、閉鎖的な田舎者を示唆する事もある。トロントにいるいとこの妹がインディアナに住んでいる。その妹のことを、「あのこったら、最近なんだかあの中西部の田舎者の雰囲気を漂わせるようになって嫌だわ。マンハッタンが危ない何ていうの」といった調子。シカゴに行くにはミシガンを横断していく。ミシガンの店員が笑顔で対応してくれるのに対し、確かにシカゴの店員は無愛想かもしれない。発音もかなりアクセントが強いしねぇ。

Saturday, May 10, 2008

ピアノのお稽古とちょっとプレッシャー

ピアノの練習は毎日やるに越した事はないのだが、週日は仕事で、8時くらいまで残業していると、夜になって弾くのは隣人の手前気が引けるし、精神的にも余裕がない。そうなると弾くのはだいたい土曜日の午前中である。かなりがんがんと怒り狂ったように(?)2時間くらい弾くことも。おもしろいもので、弾く事を楽しめる時もあるし、弾いてストレス発散できるときもあるけれど、なんだか集中できず、1分もひいて気分がのらな~いと挫折することも多々ある。

先週はお隣のアンジェリーナとラムジィが、あなたのピアノをとても楽しんでいるのよという。手をやすめて聞くこともあるわと。。。今日、朝外を走って、サウナに入り(これは一週間のうちで最上のひと時である)、その後、新聞を取りに行くと、同じ階の南側のお部屋にすむデボラおばさんに遭遇。そして、あなたのピアノをとても楽しみにしているの、土曜日の午前中にしか弾かないのね、といわれた。デボラおぱさんいわく、彼女のご主人はエレベーターのボタンを押そうとする時に私のピアノが聞こえると、しばらく押すのをひかえるくらいよと。。。玄関ロビーでは、家族の迎えを待つらしいジムというおじいさんにもデボラおばさんから、この方はピアノを弾いて、私達を楽しませてくれるのよと紹介してくれた。ちょっと耳の遠いらしいジムおじいさん、ほぉ、あなたはどこのお国の出身ですか?なんて聞かれた。

自分のピアノが下手なことを十分に承知している私としては、なんとなくピアノを弾くのが気が重くなった次第である。。。

アンジェリーナとラムジィ

晴れ、最高気温20度。ガソリンついにリッター当たり1ドル25セント

先週の日曜日の朝、突然、お隣のアンジェリーナおばさんがノックノック。絨毯を取り除いて板の間張替えがやっとすんだからお茶でもいかがとのお誘い。

彼らの部屋は北西に面している角部屋で大きな窓から半パノラマの景観が楽しめる。調度品は高級なものばかりで、壁にかかったシルクのペルシャ絨毯はそれはそれは一枚完成するのに5年はかかったという代物。本物の見分け方のコツまで教わった。

レバノン人の二人は、レバノンを離れサウジアラビアにいた頃、上の二人の子供をアメリカの大学で勉強させていたという。戦火の耐えないレバノンでの人生はあきらめていたようだ。レバノンというと遠い国の気がするけれど、二人は、我々は気持ちの優しい同じアジア人よ、という。確かにとても人懐こく、北米人のそれとはまた感じが違う。そして二人はかなりのインテリでもある。日本にも行っていて、日本びいきのよう。

おじさんはエンジニアで、我々一住人がやるべき部屋の修理点検のことも実演でやってくれた。洗濯機のあるスペースの壁には工具がずらりとそれはそれは整然と並べられ、今度は私の部屋に来てもらって修理点検指導してもうことに。これで、私は何があっても大丈夫である。こうしたことに全く音痴な私としては、ウレシイ限り。

この時、おばさんの出してくれた濃いターキッシュコーヒーが本当においしかった

Wednesday, April 16, 2008

"Love in the Time of Cholera", Garcia Marquez を読む

晴れ、最高気温16度。金曜日は20度に。。ガソリン代高騰。リットル当たり1.17ドル

100年の孤独を読むつもりがガルシアマルケスの最新作になってしまった。映画にもなった作品で昨年末あたりに公開されたような。

身分の違うプラトニックの恋。フェルミナは父親の希望どおりに医師と結婚、フロレンティーノはフェルミナのことを忘れる事が出来ず独身のまま過ごすが、もちろんその間、多くの情事が。。そしてフロレンティーノがフェルミナに恋した日から、51年9ヶ月と4日の月日が流れ、フェルミナの夫の死を契機に、70歳を超えた二人の愛が再燃する。

なんだかわからないでもないです。わたしも、なんとなくありえない話じゃないという気も..。昔思いを寄せた人に、80歳になってから会って、その時お互いに一人モンだったら。。。って(う~ん、二人くらい脳裏をよぎる....)。=(一人ではなく、二人というところに私のテキトーさがでているなぁ。。。)

Tuesday, April 08, 2008

旧隣人の引越し

16度。今夜は雷雨の予報。

3月大雪の土曜日に夕食にお招きした旧隣人から電話があり、実は同じコンドに引っ越す事になったのよ、と言われ、二人で大笑い。

おじさんが引越しをかなり本気で考えていたことは知っていたけれど、おばさんは35年住み慣れた家の片付けを考えただけでも腰が重いわ。。と言っていたから、こんなに事が進んでいるなんて全く知らなかった。

それでも、実は先々週末、近くを通ったところ、ちらりと住宅売りの看板が出ているのをみてびっくり。おばさんを説得していよいよ行動に出たんだなぁくらいに思っていた。そして、新居は決まったのかしら。。と。

でも、タイミングというのかなぁ。実は、おじさんとおばさんを夕食に招いた翌週、ここの掲示板に不動産屋仲介なしの個人のコンド売り情報が張られて、それを見て、早速おばさんに電話した私。15階でかなりモダンに改装したということで、ちょっと対象外かもしれないけれど、私のところの2倍の広さのようだし興味がてら見てみたらと。 そしたら、なんとそこに決めてしまったのいうのだから、もうおかしくて笑いが止まらなかった。おじさんは、また隣人になるかもしれないよ、なんて結構確信をもって言っていた一方(夕食の時はそんな売りがでるとは思いもよらなかったけれど)、おばさんは、2階以上のところに住むんなてなんだかいやだわ。。。という発言をしていたし。

でも、私の時もそうだったけれど、相性というか、決まる時にはあっという間に物事が決まるもの。

現在、おじさんは、去年の竜巻被害の救援活動のためカンサス州に4月の末まで行っている。今後もおじさんのこうした活動やおばさんと二人での旅行等、家をあけることが多い。退職後の人生をエンジョイするそのためにも、気軽に留守に出来るコンドミニアムを探していたわけだ。

5月中旬にこちらのコンドに入居、6月に家を手放すという計画らしい。今度はおむかえじゃなくて、上下でお隣さんになるわね、、というのはおばさんの弁。

Sunday, April 06, 2008

HDメットオペラ:ラボエームを観る

晴れ、気温14度。雪解けが進み川の水位がぐっと上がる。月曜日と火曜日は最高気温17度の予報

映画「ムーンストラック」でのNYメットのオペラシーンがこのプッチーニのラボエームで、パン職人のローニーの部屋でレコードから流れる音楽もラボエームである(ポスターも貼ってある)。聞き覚えのあるメロディが次々と流れ、感情の盛り上がりを情熱的に表現する感動のオペラだった。メットでも上演回数の多いオペラの一つと説明された。圧倒される舞台装置とキャストの人数の多さにもびっくり。オペラを見て泣くなんて思いもよらなかったけれど、目が若干潤ったカナ。

今回、映画館に行くと、いつもの4倍くらいの観客で、劇場が半分くらいうまっていてびっくり。いつもの席よりも3列ほど前の席に陣取り、若干、近すぎるくらいの距離での鑑賞となった。トロント市内の映画館では通常2つのスクリーンを使って放映のところ、急遽3スクリーンにし、すぐさまチケットが売り切れたと聞いた。やはり、ラボエームということで観客動員数がぐっと増えたようだ。

今シーズンのメットオペラもあと一回を残すのみ。去年セビリアの理髪師で登場した若きペルー人のテナーの登場である。予告でチラリと彼の声を聞くと、やはり輝きが全然違う。う~ん、楽しみ。

次のシーズンは放映回数を8回から10回に増やすそうだ。

Thursday, April 03, 2008

ジョゼフ(ユーゼク)

晴れ、最高気温7度。日曜日は14度になる予報。

ジョゼフ(ユーゼフ)が英国で心臓発作で亡くなったいた。享年63歳、腕利きの家具造り職人だった。

中学を出てから親類の家具職人見習として始めたらしい。30代でカナダに渡り、品質の良い家具造りで生計をたて、弟も彼を頼ってカナダにやってきた。私達とであったのは彼が40歳位の時だったと思う。その頃、弟の方は、妻も子供もいて移民としての生活を築き始めていたのに対し、ジョゼフは相変わらす、移民の資格を得るために弁護士に大金を払い続けているという有様。そして、残りの収入の使い道はポーランドにいる家族への仕送りと毎日の飲み代。ジョゼフとの写真を見ると、いつも乾杯していて背景にミニクリスマスツリーが映っている。知らない人が見るとあたかもクリスマスの時に撮られた写真のように思うけれど、これは日常の一こまに過ぎない(クリスマスツリーは1年365日そこにある)。月曜日1本、火曜日1本、、とウォッカのビンがソファの横に並ぶ。お金目当てのようなガールフレンドも入れ替わり立ち代り。皆が忠告しても、気にせず。

毎日ほこりにまみれて仕事し、家に帰って飲んで、ベットの中でテレビをみながら、酔いつぶれて朝を迎えるという生活パターン。彼の人生の後半はこの規則正しい繰り返しだったと思うと複雑な気持ちにならないでもない。。。

カナダでの最後は、ポーランド人街で間借りしていたところ、同居人とトラブル。警察が呼ばれ、身分証明書を求められて即強制送還となった。これが5年ほど前だろうか。その頃には、ポーランドにいる妻は見切りをつけていたらしい。ポーランドに帰っても結局行き場がなかったわけだけれど、その頃タイミングよく(?)ポーランドのEUへの参加とイギリスとの就労協定が結ばれ、英語ができる(ちなみに彼の英語は片言)ということで即イギリスで働き始めたと聞いていた。なんて運のいいことと元亭主と笑っていたものだけど、結局、異国で一人倒れているところを見つけられたのではないかと思うと悲しくなる。

ジョゼフにまつわる話は本当に沢山あり、傑作なのはカナダに見切りをつけアメリカに渡ったときの話。結局、カナダがいいということですぐさま再び国境をこっそり渡る。その時に警察につかまるのだけど、「なんでまたカナダに戻ってきたんだ?」という質問に、I love Canada. と返事したことで無罪放免になってしまった(まるで漫才)。また、共産主義が崩壊し、もう政治移民としての手段も失われ、益々ジョゼフの移民の資格取得が難しくなると、残りはホモセクシュアルであるという手段しかないぞ、、などと言う話で大笑い(ジョゼフがホモセクシュアルなんて不可能、あんなに女好きなんだもの)。。

引越しの時に、ジョゼフの作ってくれた本棚も分解し、今は棚の部分が手元にあるだけ。バナナのようのな大きな指と手が懐かしい。。。合掌。

Friday, March 28, 2008

マルコムからのEメール

晴れ

2週間程前に、久しぶりにマルコムにEメールした。講演会等での話題は多いものの、雑誌ニューヨーカーへの執筆もないし、彼のブログの更新もままならないという今日この頃。マルコムと読者をつなぐものはやはり彼の書くものであって、それがないと非常につまらない。ということで、読者はみんな待っているよってメールしてみた。そうしてら、昨日、メールが。。。。ウフフ

彼が3冊目の本を年明け早々に出版ということで(2007年6月のブログ参照)、その詰めにずっと終われているとのこと。そして、そういってくれて(みんな待っているよって)ありがとうって。うふふふふ。さて、はたまた彼のメールは全て小文字。大文字がない。去年の1月あたりに初めてもらったマルコムのメールと一緒。その時はマルコムじゃないでしょって返答した(2007年1月のグログ)。今回、本当にマルコム???ってこちらも全て小文字で返答してみた。今日、メールをあけると、再びマルコムからメールが。。。昨日の私のメールの15分後に発信。      ”yes”って。

金曜日だというのに会社をでたのが夜の9時過ぎ(ここのところ連日です、そして来年まで続きます。。。)、かなり疲れてアタマに来て帰ったところにこのメール。もう、疲れも怒りなにもかも吹っ飛びました!

日本でのマルコム研究の第一人者と自称している私。早く彼の3冊目を読みたーい。

Sunday, March 23, 2008

メットオペラ:トリスタンとイゾルデを観る!

3月23日、イースター休暇で金曜日から3連休。晴れの良い連休でした。金曜日の夜はマイナス13度。今日は日中散歩する。

昨日のトリスタンとイゾルデはハプニングなく無事終わりました。2幕目では、ソプラノとオーケストラのパワーに押され、テナーの声が余り聞こえないなぁ、なんて思ったけれど、3幕目は殆どテナーの一人舞台。イゾルデのメイドのメゾソプラノが1幕で輝いていました。やっぱりワーグナーだなぁと感じた次第。少人数の登場人物で歌い手の力を思う存分試すという感じ。最後に至るまでにはすっかり圧倒されていました。

先にも書いたようにオープニングからハプニング続きだったこのオペラ。ソプラノのインタビューによると、4人のテナーとは、全くリハーサルがなく、すべて初対面でのラブシーンとなったらしい(2幕目)。突然のメットデビューとなったロバートディーンスミスは、3月14日にメットから連絡を受け木曜日の20日にベルリンからニューヨーク入り。20,21日とピアノリハーサルのみで、土曜日当日初めて舞台装置に足を踏み入れたとのこと。日曜日には、再びベルリンでの舞台のためヨーロッパへ。本人、2009年の12月にメットでデビューする予定だったらしいが、思わぬ早期デビューとなったわけです。

舞台装置はまたまたメットならではの深い奥行きと高い天井を利用したもの。でも歌い手にとっては大変な舞台装置だったと思う。なるほど、先の公演でテナーがひっくり返ったわけがわかりました。なんと、舞台に傾斜がついているのです。メイド役のミッシェルは、今日は、蛋白質の高い良質の朝食を食べて、舞台にそなえ、休憩にはプロティン入りジュースを飲んで臨んでいます、なんていうくらいの5時間に及ぶ大変なオペラなのに、それに加えて、屋根の傾斜の上で歌うような舞台にはそれはそれはお疲れのことだったと思う。ちょっと、歌い手のことも考えたら・・・なんてチラリと思うでもなし。ちなみに、照明は素晴らしかった。。。

男達のヘアスタイルはなんとお相撲さんのマゲスタイル。テナーのロバートは誰かに似ていると思っていたら、元横綱千代の富士でした。

Saturday, March 22, 2008

メットオペラ:トリスタンとイゾルデ

晴れ、

今日はこれから待望のオペラ。ワーグナーのトリスタンとイゾルデと聞いただけでゾクゾクする。なんと、時間を確認したらいつもは1時半開始なのに今日は12時半開始で延々6時間弱という長編だということに気づいた(よかった、時間を確認して。。。)

前回のピーターグライムは、漁村を背景とした華やかさの全くないオペラだった。かなりテナーの力量もためされるものだったらしいけれど、ニューヨーカーマガジンの批評によると、メットでは20年ぶりくらいの上演で、今回のオープニングにあたっても空席が目立ったらしい。

今日のトリスタンとイゾルデも、ちょっとハプニング続きらしい。カナダ人テナーベンハップナーがウィルスにやられて、オープニングを含む最初の4公演で歌えず、彼の代理はかなりの酷評を得たとのこと。他にも、舞台装置からテナーがすべって、異例の途中休憩となり、テナーの無事を確認してからの再開。メットデビューのソプラノ歌手は緊張のためか(?)、ニ幕目で不調を訴えて代理(メットデビューをはたす)をたてるという有様だったらしい。ということで、先週の金曜日は3人目のテナーと代理のソプラノでの公演だったよう。今日の公演はトリスタン役では初めてメットで歌うというロバートディーンスミス。どうなる事か、ワクワク

Sunday, March 16, 2008

講演会にひっぱりだこのマルコム

晴れ、最高気温3度、夜はマイナス13度

一週間前の大雪とは打って変わって、真っ青な空の広がる休日。久しぶりにマルコムの実家あたりまでドライブに行ってきた。陽射しはまぶしくても、風はまだ冷たく、ほろなしの馬車に乗るメノナイトの人達の寒そうな姿、そして馬のはく息の白さが、まだまだ春遠しと感じた。

最近、マルコムは多忙極まりないようで、週刊誌ニューヨーカーに記事を書かない。講演する機会のほうがずっと多いようだ。ジャーナリストが書かないということは、これはファンである読者にとってはゆゆしきことと思われる。なぜなら、ジャーナリストと読者をつなぐものは、ほかならぬ彼の文章でしかないのだから。ニューヨーカーもマルコムの人気に便乗してか、先週末に主催された昨年に続くニューヨーカーコンフェレンスでは、マルコムをまたまた基調講演者の一人にしている。2日間の日程の参加費は、レセプション、食事も含まれて2000ドル。でも、ホテルの割引はありませんのであしからず、なんて注意書きがあった。彼の講演を聞くことのできる人達は限られている(会社が支払ってくれるとかね)。世界中に広がる彼のファンは、実際の講演にはのぞめない。せめて、以前のように4半期に一度のペースで書いてほしいものだ。彼の書くものは、彼のインスピレーションとリサーチで少なくとも3,4ヶ月はかかると見積もっている。

そんな旨を、マルコム宛にEメールした。

マルコムを地元新聞に紹介した記者(私は彼の記事でマルコムを知った)が、今年は精力的にユニークな方面での記事を書いていて、カナダ新聞のある報道カテゴリーに昨年に引き続きノミネートされた。連続ノミネートおめでとうと、1年ぶりくらいにEメールしたら、ありがとうと返事がきた。マルコムもこんな感じで返事をくれたらどれほど私を舞い上がらせてくれることか。。。

Monday, March 10, 2008

旧隣人との夕食:宗教と医学

3月10日、晴れ、朝マイナス22度、日中プラス2度。夜はマイナス6度。

8日の土曜日はまたまた大雪。積雪20cmという大吹雪の日に、以前の隣人、お向かえに住むご夫婦を夕食に招待した。それはそれは、色々な話題が上り、話がつきなかったのだけど、とても印象に残った会話がある。

おじさんは外科医で2年前に退職した。ご夫婦ともメノナイト派の熱心なクリスチャンである。食事の席で、政治と宗教の話はするなというけれど、という前置きで始まった。おじさんは医学部に進む前に神学を専攻したという。医学部に進んだのは、方向転換ではなく、まず神学を学びそれから医学部に進むと心に決めていたらしい。そこで、質問。医学部に進んで、宗教との葛藤や矛盾はなかったのかと聞いた。すると、逆に神の存在が益々確固としたものになったという答え。科学的実証は、神のまいた種を、人間が一つ一つ見つけているだけで、それは人類の永遠に続く作業だと言われた。

以前、パキスタン人の同僚が、神を信じないなんて、これほど不幸なことはない。今からでも遅くないよ、、などとずいぶんと心配してくれたことがある。その後、なんとなく説教じみた話が続いて、ウンザリしたものだ。でも、彼も勉強すれば勉強するほど神の存在を信ぜずにはいられないよ、と言っていた。

なるほど、その時は、ふ~ん程度の説得力しか感じなかったのだけど、おじさんのわずかの言葉には今までにない強烈な説得力を感じたなぁ。同時に、ちと俗っぽくなるけれど、2001年宇宙の度の最初のシーンが脳裏をかすめ(かなり俗っぽいか。。。)、更に遥かかなたの遠い遠い時間を感じることができた。

Sunday, March 02, 2008

「崩れ」、幸田文、を読む

穏やかなな日曜日。今晩からみぞれ。

日本ではどんな本が人気なのかなぁという興味から、インターネットで検索し、ウェブ本の雑誌というサイトに出会ったのが約1年くらい前だろうか。その中に作家の読書道というセクションがあり、人気作家の読書暦を披露する。ここで紹介されるのは比較的新進気鋭の作家で、彼らの作品は殆ど読んだ事がない。でも、彼らの読書暦から触発されて読んでみた本が多々ある。外国文学もその一つで、ポールオースターなど読み始めたのも、ここで紹介されていたからだと思う。

「崩れ」は、旅行ノンフィクション作家という看板の宮田珠巳という作家の紹介。作家は幸田露伴の娘で、崩れという現象に着目し、それを言葉で表現する。72歳の作家は時には、おんぶされながら日本の山の崩れを訪ねる。これを読むと、数年前の新潟での地震や土砂崩れを思い出さずにはいられなかった。崩れとは、地質的に弱いところということ。美しい日本列島はまさしくそうした弱い地盤で形成されている。

とても美しく柔らかい日本語で荒々しい自然現象が言葉にされている。

Sunday, February 24, 2008

リバーサイドギャラリー

プラス2度。青空。最高の日曜日。火曜日はまた15cmの積雪の予報。

久しぶりに地元大学の建築学部の建物内にあるリバーサイドギャラリーを覗いた。今回の展示は、建築、芸術、創造における図書館というテーマで、公共図書館の起源に若干触れ、幾つかの図書館を紹介している。 最初にノルウェーの建築事務所が競争入札で勝ち取ったという2002年に完成したエジプトのアレクサンドリアにある図書館。海抜レベルの階では、地中海を目の当たりにしながら古代歴史を思いつつ本に囲まれる事が出来る。突然ながら、猛烈に行ってみたいという衝動に駆られているところ!!http://www.greatbuildings.com/buildings/Bibliotheca_Alexandrina.html

その他、プライベートの図書館の一つとして、神奈川県にある、詩の図書館も紹介されていた。

田舎にあるギャラリーながら、展示内容はレベルが高い。小さいスペースなので、テーマを絞り、展示物を選りすぐるのはとても難しい事のように思える。2005年に展示した「北緯41度から61度におけるカナダ現代建築様式」が、世界的に権威のあるヴェニスのヴィエンナーレ展示会に今年のカナダ代表として出展されるらしい。

Thursday, February 21, 2008

早期退職者達の夢

マイナス13度。

今年になって数人早期退職する人がでてきた。我が社の早期退職第一号のロンが去ってもう3年たつだろうか。半年間ハワイで過ごし、その後はまた仕事に復帰。顧問のような立場で相変わらず稼いでいるとのこと。

つい1ヶ月前に退職したウェインは、教会関係やボランティア活動に精力的で、新移民への英語講座で教えたり、中古の車を直したりしている。今後は3ヶ月毎くらいのペースで海外での救援活動に携わるとのこと。未だ数年前のミシシッピやルイジアナでのハリケーンの傷跡は大きく、住宅建設等々のボランティア参加の機会は沢山ある。

昨日20年勤務のあと退職したゲイリーは私の上司。つい先週同僚がカードにサインしているので、誰の赤ちゃん、それとも誰の結婚??なんてきいていたら、ゲイリーが来週退職するんだよといわれびっくり。うわさはずっとあったものの、明確な時期は聞いていなかったから。なんでもそっといなくなる事をのぞんだらしい。泣けるから、、かな。どうにか皆からのプレゼントを受け取り、最後の挨拶は涙を目にためながらのものだった。用意していたお別れケーキもゲイリーが去ってから届くということになってしまった。なんでもとりあえずは弟さんの結婚式の準備に精力的に手伝い、夏は孫たちと時間を過ごすとのこと。

となりにいるもう一人のゲイリーは今年58才で60で退職するとのこと。既に、退職後の湖に面した家を購入しており、今は週末にだけ家に帰り、普段はアパートから通勤している。彼も、退職後は、ご近所の運転手等のボランティア活動に従事するといっている。やることはいっぱいあるよって。

3月末に退職予定のピーターは今年いっぱいは、すでに奥さんがびっしりとクルーズ等の旅行日程を取り入れているとのこと。

早期退職者の年齢は55から60歳の間。その他の例をみても、半年後くらいに中小規模の会社に復帰している人が多い。私も55歳で退職して、海外のボランティア活動に参加したいと思っているけれど、、ロバートレッドフォードのサンダンスインスティチュートで、映画作りのボランティアをしたいなぁとも。。。サンダンスフィルムフェスティバルでは毎年ボランティアを募集する。去年応募したけど何の連絡もなかったのよねぇ~。

Wednesday, February 20, 2008

ピアノの調律

2月20日。ガソリン代リットル当たり1ドル9セント。18日の月曜日は州知事の公約どおり、初めての家族の日という祝日

月曜日の祝日にもかかわらず朝の9時にピアノ調律師のポールがやってきてくれた。昔は地元交響楽団でチェロを弾いていたという人で、今はもっぱら調律師。地元の音楽堂のピアノの調律もまかされているとのこと。今回は、2年ぶりの調律、そして引っ越したにも拘らず、ちゃんと覚えていてくれ、あれ犬はどうしたのなんて聞いてくれた。 ポールは、ケーキの折り詰めを横にしたような小型の黒い革のかばん一つで登場する。中身は、やすりや色々な種類のペンチ(私のピアノでそれらを使う事はみたことがない)、チカチカ点灯する音合わせの機械などで、あとは彼の耳のみ。あれだけの設備投資(?)で収入につなげるなんてスゴイなぁと思う。これは、物を書く人にもいえること(マルコムとかね)。そして大切なことは、この仕事が好きという事につきると思う。あぁ、自分にも設備投資のいらない才能があったら自立できるのになぁなんて思う。才能と投資費用のない分、勤め先で場所をおかりして、お仕事させてもらってますって感じ。音楽会では顔合わせしたことはないものの、話をすると彼もその場にいたという。今回メットのオペラの事を話したら、そうした情報は知らなかったようで3月のオペラを楽しみにして帰っていった。

調律中のピアノのメロディは、ちょっと定かじゃないけれど、確か昔のフランス映画ジャンポールベルモント主演の映画「きちがいピエロ」で、ちょっとアタマのねじの狂ったおじさんが埠頭で歌うメロディに似ている。

Sunday, February 17, 2008

メットオペラ:マノンレスコー、アニメ映画ペルセポリス

青空の広がる最高の土曜日。明日は雨とか。

またまた待ちに待ったメトロポリタンオペラ。ここ労働者の街でのライブ映画館上映も、ぼちぼちと観客の数は増えてきた。40人くらいにはなったかな。ホント近いと便利。がらんとしているから席の確保も容易だし。

毎回メットのオペラをみて感心するのは舞台装置。最初にNYCでメットのオペラを見たとき(17年くらい前かな)、舞台の奥行きの深さにビックリしたのを覚えている。今回のマノンレスコーは毎回舞台装置が大幅に変わるため、各幕ごとに15分以上の休憩があった。3幕の背後には既に4幕の舞台が準備されており、ステージ自体が動くという感じだった。また、主役が世界各国からの選りすぐりであることは、以前に書いたけれど、その他の歌い手達が、アジア人黒人を含む様々の人種が混ざっているのもまさにニューヨークならではという気がする。 ちなみに、今回は休憩の間に舞台動物達も紹介された。


メットの後、日本でも話題になっているペルセポリスのアニメを見に行った。昨日のレビューによると、アニメといってもディズニーのアニメを想像してもらっちゃー困りますなんてことが書かれていた。お母さん役の声はカトリーヌドヌーブ。やはりフランス語は心地良い響きね。でも95分に集約されているため、話のテンポが速い。イラン革命やイランの歴史に事前に触れていると、話についていきやすいかも(本を読んでから見るといいと思う)。映画は、そうしたイランの現代史を背景に、主人公マンジェーンの少女時代から20代までの人生を描く。これは、背景こそ異なるものの、世界共通の若者の感性以外のナニモノでもないと思う。この本は3年前に購入し、友人にも読んで~と押し付けたり、プレゼントしたりもした。私は、100回近くは読んでいるな。外国で暮らす孤独という感覚が共有でき、時に胸にぐっとくる本なのである。白黒漫画、アニメも同様に白黒のところが、センスの光るところ。。

Friday, February 15, 2008

灯りのともらぬコンドミニアム

風がなく、ピリッとする空気が気持ちよい。雪もとけず、これが本来のカナダの冬だそうな。

朝まだ暗いうちに出勤、そして、夜暗くなってから車で帰宅。コンドミニアムを外から眺めると、わずかながらの部屋の灯りしか見えない(本当に少し)。ビル管理会社の案内書に長期不在にする場合の注意事項というものがあったように、部屋の灯りのともらないのは、どうも冬の間は気候のおだやかなフロリダで過ごすという渡り鳥退職老人達のせいのよう。

不動産屋のメアリーによるとここに住む3分の2は退職老人、3分の1は私のような仕事をもつひとりものじゃないかということ。退職老人3分の2のうちの7割近くは渡り鳥となっているように思える。

Wednesday, February 13, 2008

アホらしいほど忙しい

昨日積雪15cm、今日は晴れ、そしてまた数日雪らしい。

去年の秋からプロジェクトに参加していて、めちゃくちゃな忙しさ。管理職がなってないと、ホント部下は苦労させられるって感じ。明日の内部のミーティングで文句いってやろっと。 とうことで、最近は数人の日本人の方と電話で話をする事がある。こちらが恐縮してしまうくらいとても丁寧で、多分、私は気づかぬうちにアタマをさげながら話しているのではないかと思う。ホンシャ、ホンシャって聞こえるから本社っていっているのかなぁ~なんて思っていたら弊社御社のオンシャだったということに気づくありさま。でも、、あまりに丁寧でかつ枕詞みたいなものも多くて、話が長くなりがち、、ということに気がついた。恐れ入りますが、とか申し訳ありませんが、なんて、英語にはないから、そうした言葉がえらく長ったらしく無意味に思えるありさま。要点だけ簡潔にいいましょー!なんてことは言わないけれど、なんとなく話がたるくなる感じのするのは、ずれた日本人になってしまったからなのだろう。。と思う。

Monday, February 11, 2008

サテライトモーテル


体感温度マイナス29度の寒さ。明日はまた雪の予報。コンドに引っ越してホントよかったと感じる今日この頃。

さて、コンドの窓から見えるサテライトモーテルの写真ができたので添付します。土曜日に引越し記念といって大きな鏡をもってきてくれた不動産屋のメアリーによると、このサテライトモーテル、歴史があるらしい。一昔ふた昔前、目の前のヘスペラーという主要幹線道路が一車線の時代からあったとのこと。今やこのヘスペラー道路は中央分離帯をはさんで片側3車線。この5年の間に、中サイズのホテルが連立し始めたけれど、その昔は、このサテライトモーテルくらいしかなく、セールスをしていたメアリーのお父さんは、よく出張者をここに泊めていたとのこと。

やはり一度案内書をもらいに行かなくちゃ。

Friday, February 01, 2008

コンドミニアムの老人達

2月1日、大雪

引っ越してきたコンドミニアムの入居者の平均年齢は75歳くらいではないかと見積もっている。引っ越してすぐに、管理会社から渡された案内書一式の中に、このコンドミニアムの入居者名簿があったのにはびっくり。まさしく老人ホーム。昼間には、タイチクラス、お茶会、ブリッジ、夕方にはビリヤードなどの憩いの時間が設けられている。バレンタインデーには、得意のお料理をもちよるという企画が掲示板に張られている。コーヒー、紅茶は管理会社のマネージャーのテレサが用意するらしい。

私の部屋の前の住人はフィリスというおばあさんでなんと90歳までここで一人で住んでいたらしい。ようやく娘達の説得で本当の老人ホームに引っ越したそうな。先日、リサイクルのゴミを地下のゴミ仕分け場のところに捨てに行くと、80歳くらいと思われるおばあさんが、管理人さんのお手伝いをしているのといって、空き缶をつぶしていた。なんでもどこかに寄付するらしい。ちなみに空き缶は5セントで払い戻ししてくれる。昨日は、やはり70歳は越えていると思われる電動車椅子のご婦人とエレベーターで一緒になった。夜9時過ぎで今晩は遅いのね、と聞くと、コンピュータークラスに行って来たの、とのこと。

エレベーターで会う老人達との会話はハイ!という挨拶だけでは終わらず、更に会話が続く。そして、それがとてもうれしく、優しい老人達との会話に心和むのである。

Monday, January 28, 2008

70年代の歌謡曲CD

最高気温マイナス4度。今晩は霙雪で、明日は最高気温が4度とか

2ヶ月に1度ほど、日本人の単身者を囲んで仲間内で鍋会なるものを開催している。前回鍋会会場を提供してくれた方の部屋に70年代の歌謡曲フォークソングを集めたCDが10枚ほどあり、そのCDを流しながらキムチ鍋をした。今日そのコピーしてくれたCDを渡してくれた。あまり思い出深いような曲だと、色々と昔の事が思い出されてかなり調子が狂う(柄になくセンチメンタルになるのである)。ということで、ちょっと不安ながら今日夕食時に流してみた。

なんと、全然調子が狂わない!はたまた今日頂いたちくわなんかほおばっていたら、まさしく飲み屋にいる気分になった。色々な曲が入っているCDはまさに有線放送という感じなのである。

なるほど、日本にいるときに歌謡曲やフォークソングはテレビで聞くぐらいでレコードなど買う事もなかった。

ということで、私の調子を狂わせる日本のナツメロはゆーみんの曲のみなのだということを再認識したのである。

Wednesday, January 23, 2008

メトロポリタンオペラ;ヴェルディのマクべス

1月23日。昨日は予報以上の積雪で衝突事故が各地で相次いだ。ガソリンはリットル当たり1ドルを久しぶりに下回る

1月12日の土曜日はメトロポリタンオペラの日だった。やはり圧倒された。歌い手も世界各国からのよりすぐりの歌い手で、さすがメトロポリタンオペラ!。ロミオとジュリエットはフランスオペラでフランス人のテナーとロシア人ソプラノ。2回目のヘンデルとグレーテルはエンゲルベルトフンパーディングのもので、英語オペラ。主役は英国人だったと思う。北米人ではない英語だった。今回のマクべスはイタリア人。舞台裏でのインタビューでは、みなそれぞれのお国訛りの英語で話し、結構シドロモドロだったりもする。

昔は、歌を歌いながら感情を表現しお芝居するなんて理解し難いと思っていたけれど、のめり込んでしまうものですねぇ。テクノロジーに頼るのではなく、本来の人間の備えている能力を最大限に舞台で生で発揮する、ということに感動するのかもしれない。ジュリアロバーツとリチャードギア主演の映画プリティウーマンで、ジュリア扮するヴィヴィアンが初めてオペラを見に行く場面がある。ヴィヴィアンがイタリア語なんて知らないのにどうやってオペラなんて理解するのよ、とリチャード扮するエドワードにつっかかる。その時、エドワードが、オペラって、とてもパワフルで言葉に関係なく人に感動を与えるものなんだ、と答える。正しくそのとおり!!

舞台裏もみせるこのライブは、自分もそうした裏方の一人となってこの大型企画に参画してみたいなんて気にもさせる。考えてみれば、自分が今拘っている仕事は、まぁ大型プロジェクトで、その裏方となって日々励んでいるわけだけど、残念ながら感動することはほとんどない状況である。。

Sunday, January 20, 2008

フレッドの誕生日とポーリシュの女性たち

1月19日、体感温度マイナス16度。久しぶりに青空

先週のポーランド人のロバートの誕生日に引き続き、今週はプレイボーイのフレッドの63歳の誕生会。いつもの連中プラスで合計18人。フレッドの奥さんエラは今月末までポーランドに帰国中で、みなのもちより。山のようなご馳走だった。。。

大方は夫婦なのだが。。中に、ガールフレンドをつれてきた男性がいて、その女性、ソフィアローレンを思わせる顔つきだった。鼻筋がシャープで横顔の美しさが際立つ。いつもの仲間の一人、ヘニャはイタリア人のボーイフレンドのパットと。インターネットで知り合ったという二人。もうアツアツで誰もそばに近寄れない。お互いに退職して一人でいる寂しさを感じたらしい。

毎回ポーランド人の女性に会うと関心することが一つある。それは彼女達の巨大な胸。若い女性も、年配の女性も、皆胸がデカイ!!この誕生会で、フレッドの孫6ヶ月のアダムにずっとおしゃべりし続けていた小柄な女性がいた(彼女の作ってきたガラレツケは絶品)。その彼女の胸の大きさたるや、なんというか、メロンが3個並んでいる感じ。。。正面から見ても、横から見てもまんまるだった。

Tuesday, January 15, 2008

11階からの眺め

1月15日、曇り、時折雪。夜はマイナス6度とか。

コンドミニアムに引っ越して11階からの眺めは、まわりに2階建以上の建物が全くないので、だだっ広い風景が広がる。ここ10年くらいに出来たと思われる新興住宅地は家と家の間のスペースがせまく街路樹がまだ育っていない。一方40年は過ぎていると思われる住宅地は家の前と後ろ、そしてお隣との敷地スペースが広い。

しかし、なによりもすごいのは、部屋からほぼ正面に見下ろす”サテライトモーテル”。このモーテルのhpがあったら是非そのリンクをここに載せたいのだけど、hpはないらしい。なにがすごいのかというと、なんともシュールなロケットがコの字型のモーテルの正面にあるのだ。サテライトモーテルと名づけたからには、ロケットで客引きだ!と思いついたのだと思うけれど。。。上から見下ろすと若干小さく見えるロケットは、オズの魔法使いのブリキのきこりを思い起こさせる。

Friday, January 11, 2008

住宅売買全て完了

1月11日。連日のプラス気温で殆どの雪が溶けてしまいました。最後の雪かきは元旦の大雪の日、となったわけだなぁ。。。

無事全ての手続きが完了。とうとう、以前の家が法的に引き渡されました(もう私の家ではなくなった)。新居のほうは、まだダンボール箱が片付かない状態だけど、どうにか落ち着き、ぼちぼち家具をそろえ、片付けていくつもりです。

この間、結構色々な事を思ったり、色々な人に出会ったりもしました。また、追って書きくつもりです。明日はメトロポリタンオペラ!マクべス!元旦のヘンデルとグレーテルはとてもよかったのよね。う~ん、明日も楽しみ!!