Sunday, May 25, 2014

最近のコンドミニアム

晴れ、やっと気温が25度くらいまで上がる。チューリップからライラックへ

今月はコンドミニアムに住む二人のおじさんが亡くなった。83歳と85歳。一人のおじさんはがんをわずらっていて数ヶ月前に廊下で倒れ、そのまま入院し、つい先日亡くなったとのこと。時々エレベーターで顔を合わせていたけれど、病気とは知らなかった。掲示板に死亡広告をみて、なじみの顔に驚いた。。もうひとりはドンさん、奥さんはまだ現役で働いている。数年前に脳梗塞か脳溢血をわずらったため、半身が少し不自由、でも元気な様子。2年前は、時々杖をついて歩いていた、それが去年は、ウォーカー歩行補助を使う姿も見る。本人はウォーカーを使うのにかなり反抗している様子が伺えた。俺はまだちゃんと歩ける!といわんばかり。それが、この半年だろうか、痴呆の気配が現れ、エレベーターで、靴も履かずにいて、どの階でおりるのかわからなくなっている様子をみた。また、ドアの鍵の使い方に戸惑っている様子も。最後にみたのは2ヶ月ほど前、スーパーで。奥さんはショッピングカートを押して買い物、その間、ドンさんはスーパーの片隅にあるカフェテリアのテーブルで、一人座って待っていた。最近は二人とも見かけないなぁと思っていたら、先週新聞の死亡広告にドンさんの写真をみて、、ドンさんの死を知る。

現在住んでいるコンドミニアムは、築20年ほど。大方は、年をとって家、芝、除雪などの手入れが手におえなくなり、ここが最後の住居になるだろという覚悟(ちょっと、大げさだけど)で移ってきている(自分もしかり)。とういうことで最初に移ってきた老人たちの年齢は今80歳台。自分もしかりだけど、この5年の変化は結構大きい、そして年をとった彼らの様子をみるのは時々つらい。。あれ、この間まで、かくしゃくとしていたのに、、、という感じ。

一方で、最近は新しい入居者もみる。事情はわからないけれど5歳くらいの孫と一緒に住んでいる老夫婦、30歳を過ぎた息子も一緒に住む家族、その父親のビクターは最近みなの話題になるクセのあるおじさん。60歳台後半だろうか、アコーディオンを弾くので、あらゆるパーティーとか誕生日とか突如登場してくるとの事で、ありがた迷惑とのこと。かなり自己中心的な人物らしい。

ちょっと華やかな話題は、ずっと理事を勤めていたロジャーの再婚(だと思う)。83歳のロジャーが去年引っ越してきた60歳台のエリーンと2週間前ほど再婚したというではないか。2階に一人で住んでいたロジャーが14階のエリーンの広い部屋に移ったと知ったのは去年のこと。そして同居していたエリーンのお母さんは2階のロジャーの部屋へ。。でも、まだ続きはあって、お母さんは去年その2階の部屋で亡くなった。それも自殺だったらしい、とロジャーの再婚のニュースと一緒にきいた。そういえば、去年、警察もきて、棺がビルから運ばれるのをみた。あれは、彼女だったのではないかと思う。そして、同じコンドにすむロジャーと同じ年頃の元彼女は、ロジャーにふられ、それはそれは意気消沈としているというではないか。。

まもなく、恒例の年次総会。理事の選挙に新しい顔ぶれの候補者が現れ、またまたおもしろいことになりそう。
やっとライラックが花開く

一面のタンポポ畑。はらばいになって写真をとるG


Sunday, May 04, 2014

"Animal Farm", George Orwell を読む

晴れ、雨、気温は10度となかなか暖かくならない。

日本語は「動物農場」。高校生のころ読んだ記憶があるけれど、今回読み返してみると、なんにもわかってなかったな~、というのが実感。知的にかなり未熟だった(今もだけど)。。

第二次世界大戦真っ只中に書かれたこの本は、どの出版元も出版を拒否した背景があるとのこと。ということで自費出版ではじまり、1945年に小さな出版元が二束三文で出版に同意したとある。アメリカのランダムハウスはアメリカで動物の話は売れないと全く興味をしめさず、なんたってデズニーランドの文化の国だよ、と冷たく返事がきたとある。

自費出版にあたっては、出版の自由という前文を挿入し、イギリス政府の情報省(Ministry of Information)によるセンサーシップを非難している。その背景にはドイツを拒みソビエトと同盟を結んでいた英国の戦時下の状況があり、チャーチルは批判しても、スターリンへの批判など問題外だという風潮だったらしい。また、マルクス主義という思想とユートピア幻想、そして全体主義の恐怖、この時代世界は混沌としていた感がある。

第二次世界大戦後、難民キャンプにいたウクライナ人がたまたま目にした英語版を片言ながらも読み、直にオーウェルに翻訳許可依頼の手紙を書いたそうだ。そして、オーウェルは翻訳許可に無償で同意し、彼自身がウクライナ語版用に特別の前文を書いている。今、ウクライナ人はこの本を覚えているだろうか。。

今回読んだ本は2010年に出版されたもので、初版の出版元が創立100周年を記念して発行したもの。Christopher Hitchens という人が前文を寄せている。また、巻末に、オーウェルの前文Freedom of press とウクライナ語版にむけた前文が含まれている。

初版からほぼ70年経ても考えさせられる本。時代を経ても、本質的に人間社会はかわらないといことか。。。未だ中国やミャンマーそして北朝鮮では読まれることのない本らしい。

森林公園の散策道。雪解け水と雨で一面は洪水状態。12月のアイスストームで大木が倒れている

アイスストームで倒れた大木が散策道をふさぐ

マグノリアはまだ硬いつぼみ

チューリップはまだ花を咲かせず、ヒヤシンスと水仙がかろうじて春の気配をつげる