Thursday, May 31, 2007

Water for Elephants, Sara Gruen, を読む

晴れ、ムシムシ、29度。雷雨の予報は外れ。
作家は、カナダオンタリオ州ロンドンの出身。現在はシカゴ郊外に住んでいるとのこと。
アメリカ大恐慌時代の田舎サーカス団の話で、英語を理解しないが、ポーランド語を理解するローズという象がでてくる。主人公の Jacob Jankowski のイメージが、何故だか、タイタニックの頃のレオナルドデカプリオと重なり、自分の中で、映画化しながら読み続けた。残念ながら、このサーカス団の看板スターに抜擢したい女優は思い浮かばず。人生のいたずらあり、恋あり、愛あり、裏切りあり、友情あり、そして老後の生活描写あり。登場人物の個性がそれぞれ強烈で、ハリウッドで映画化されてもおかしくないストーリーだと思った。でも、この印象は、いささか呆れながら読んだダヴィンチコードとは大違い。ダヴィンチの舞台はパリ、ルーブル、そして、わずか1週間かそこらのあれよあれよのドンデン返しの連続。それよりずっと読ませるものがある。多分、時代背景と登場人物によるところが大きいのだと思う。そして、なんとも予想外の結末。個人的には、この結末は大好きである。最後にキスの画面(キスの描写)で終わるハリウッド映画のダヴィンチコードとは違います。ちなみに、ダヴィンチコードの映画は見ておらず。確かカンヌが試写会だったように思うけれど、その時、トムハンクスのヘアスタイルが不評との話を聞いた。なんでも日本の総理大臣のスタイルを真似たらしい。

Monday, May 28, 2007

Malcolm の講演

5月27日、曇り、激しい雨、21度くらいかな。マルコムのNYコンフェレンスのビデオを一通りみる。オープニングの講演者はマルコムということで、やはり人気のジャーナリストである事を実証する。Music Intelligence では、マルコムが、去年のNYフェスティバルのときの講演(The Formula という題名で9月のニューヨーカーに掲載されている)でとりあげたPlatinum Blue との対話。これは、音楽のヒット性を分析するソフトウェアを開発した会社である。例えば新曲を、メロディー、リズム等の角度から数式化し分布図に位置付ける。そして売れ筋のクラスターとの位置関係から、そのヒット性を予測。その結果「いくら宣伝してもダメですよ」ってな感じで、プロデューサーに助言できるというわけである。これを、映画でもやろうとしている別のソフトウェアの話を去年していた。彼の講演はかなり素人くさい。書くものは、大学の博士論文形式で、起承転結。かなりの数の文献リサーチ(サイコロージーからマーケッティング等)とその分野の人物への直接インタービューで形付けられている。一方、目の前にいる聴衆の反応を見ながらの講演は、やはりうけることも考慮せねばならず、そこに彼らしい努力のみられるところが、なんとも微笑ましいのである。

What we talk about when we talk about love, Raymond Carver, を読む

5月26日、晴れ、25度。花キンは芝刈り。蝦に刺される。村上春樹がレイモンドカーヴァーの詩集等幾つか翻訳していて、読んでみようかという気になった。村上の翻訳では、「愛について語るとき我々の語ること」となっている。カーヴァーの詩集Where water comes together with other water「水と水とが出会うところ」に続いて読んだもので、短編集。村上春樹の短編になんとなく雰囲気が似ている。日常のたわいも無い情景の中で、なんとなく説明のつけようのないというか、つける必要の無い会話とか出来事が書かれている。74年に出版されたこの短編集は、コンテンポラリー文学の真髄なんて、新しい分野を切り開いた草分け的存在のように評されている。去年だったか、週刊誌ニューヨーカーで村上のスパゲティが題材となる短編の翻訳が掲載されていた。読んだ感想は、なんだかなぁ~というもの。カーヴァーの短編集もふーんって感じ。やはり、個人的には、もっとストリー性のあるものが好みかもしれない。たとえば、やはり村上も翻訳しているジョンアービングとかね。カーヴァーの詩集のほうは、これも散文的な詩集なんだけど、詩集を読むのって難しいって感じた次第。

Malcolmとの出会い

5月25日、晴れ、30度。     マルコムは実はこの近くの出身で、2005年の6月11日付けの地元新聞が彼の特集をくみ、彼の両親も訪ねて紹介されたのがきっかけ。記事を読んで、スバラシイ!と直感。そして、彼はホモに違いないとかいう私の同僚達のイイガカリも無視して、ご両親経由のファンレターも出した。その後は、かれのhpから過去の記事を読みあさり、時々Eメールを送ったりする。一時は、彼に立派な英語でファンレターを書けるようにと、文法、単語にも気をつけかなり精読した時期もある。周りにも、かなり強引に読んでーと薦めたが、読んでくれたのは、2人くらいかな。地元記者にも感謝のメールを送り、その後、何度かのメールでの交流。彼は、この記事でカナダ新聞の何かの賞にも推薦されたくらい、受賞は逃したけれど。その後は、あることから、ご両親経由で本にサインももらい、彼の自宅も発見(そこが、自宅と信じている)。時々、ジャスミンとのドライブで通ったりするけれど、まだ、誰も見かけたことなし。ふん、サインよりも、直接会いたいのよ、と思ったけれど、時々ページを開くとなんともニンマリする。実は数週間前、マルコムからメールの返信があり、嬉々としたのも束の間、メールを開いて、絶対にこれはマルコムの書いたものではないと判断し、マルコムはそんな書き方しない、マルコムじゃないでしょって返信。その後は音沙汰なしであーる。

Malcolm Gladwell のおっかけ

5月23日。2005年6月11日以来、マルコムグラッドウェルのおっかけっぽいことをしている。マルコムはニューヨークの週刊誌、The New Yorker に定期的に記事を書くジャーナリスト。2000年に出版したティッピングポイントが世界的なベストセラー、そして2005年に2冊目の「Blink]を出版し、元アメリカ国務長官だったコリンパウエルらと席を並べて講演をするくらいの売れっ子になっている。彼の講演会への参加費はなんと2-3,000ドル。参加できるわけなし。ということで、毎年秋に行われるニューヨーク市民向けのニューヨーカーフェスティバルでマルコムの講演を聞きに行きたい(というより会いたい!)、と願っているけれど、これが競争率が激しくて、去年も即座に売り切れ。なんたって、これは格安25ドルという参加費。。今年も10月にやってくるけれど、ダメだろうなぁ。私のマルコム追っかけ記は次回の日記ということで、とりあえず。興味のある方はビデオクリップをみてみて。これは、今月開催されたニューヨーカーコンフェレンスからのもの。http://www.newyorker.com/online/2007/conference/conference2007でGenius2012とMusicIntelligence2012で。これであなたもマルコムのファンに!!

「死と生をめぐる思索」、香原志勢、を読む

5月22日、この週末はビクトリア女王のお誕生日で3連休。畑の準備と雑草とりで手足がイタイ。気温22度くらい。人類学者という立場でGHQでの戦死者の個人識別という仕事と、戦前、戦中、戦後を通しての「死」と「生」の思索。科学者として「死」を客観的に見つめつつ、その時代と家族の「死」を通して「生」を思索する。そして、今老いの訪れの中で「死」の足音を身近に感じている著者。疎開せず東京に残った戦中戦後の混乱期の話は、極限に近いものがある。ありきたりだけれど、高度成長という豊かな時代に生まれ育った自分がなんと幸運だったかと思った。コワイ話かと思ったけれど、さすが科学者。淡々と書いています。最近、晩節を汚さずして生きるという言葉に出会い、つまりどういうことだったっけと考えた。これは、後30分遅かったら、間に合いませんでしたよと言われたという人の手紙にあったものである。また、かれこれ10年前くらいになるが、東京の職場で一緒に仕事をした先生の奥様が先立たれた。その時の先生の手紙に、とってもつらいけれど、頑張って生きていかなくては、と書かれていた。先生自身も脳梗塞で倒れ、障害が残っているのに、その生きぬくことの強い意志を感じ、心から感動したのを覚えている。

走り去ったジャスミン(でも大丈夫)

昨日は、恒例のポーランド人のZの誕生日で、農場散策。ジャスミンとディンゴも元気に走り回り、小川のせせらぎの音に心洗われた1日でした。美しい馬、あひる、にわとり、そして、うさぎだ、ねこだ、と盛りだくさんの家族。今年は、豚の姿焼きではなく、野球のグローブサイズのステーキ。夜は、ギターにアコーデオン、カラオケならぬ、歌声喫茶の雰囲気。焚き火をかこみ、花火をあげたのだけど、音に驚いたジャスミン。ディンゴはそこにいるのに、あれいないと思って見渡すと、お客人の一人が、あっちに走っていってるよって。確かに、ジャスミンのふわふわの後姿が見えるではありませんか。まったく、臆病なんだから、と思ってブラブラ追いかけると、姿を見失ってしまい、納屋に入り込んで、鶏と一緒になっているのかと思いきや、いない。Zも探してくれたら、なんと、道路を渡って、おむかえの家の農地をさらに走り続けるありさま。そうねぇ、焚き火の場所から、300メートルくらいかしら。Zに首ねっこつかまれて、無事一緒に道を渡って帰ってきました。その後は、ずっと首輪につなげられていたジャスミンでした.

Saturday, May 12, 2007

村上春樹「海辺のカフカ」を読む

Moon Palace, Paul Auster の読後、村上春樹の「海辺のカフカ」に移り、読み終える。そして、今日、早速カフカの小説、短編集を図書館から借りてきたところ。「海辺のカフカ」と同時並行して、What we talk about when we talk about love, Raymond Carver。1974年に出版されたもので、村上春樹も翻訳している。One of the true contemporary masters というブックレビュー。確かに日常生活における描写をちょっとした不思議な感覚で書かれているという感じ。短編集で、もう少し読んでみないとなんともいえない。カフカは読めるだろうか。。。。

ウディアレンの映画が好きだ。今日はまたまたScoopを借りて観たところ。Match Pointも英国の上流社会に入り込むアメリカ人が中心人物。Merinda Merinda もよかった。でも、今のところ、マンハッタンが一番好きかな。

新緑が一斉に芽吹いたところ。この週末気温が24度くらいに上がるという予報だったけれど、今日も明日も16度くらいとのことで肌寒い。今晩霜が降りるかもしれないという予報。