Sunday, August 19, 2007

Rと消費文明

Rはポーランド人の友人。彼も流石ポーランド人!という感心の的の一人。

今日のRとの会話で、シンガーミシンの話(一応ブランドに凝っている)。私がミシンを買おうかなと思っているというと、今直しているのがあるから買うなという。なんでもサルベーションアーミー(救世軍)から中古を安く買ってきたもので、もう少しで修理が終わるというもの。そして、過去の話に。なんでもカナダに来てまもなく、友人のFとガラージセールを回っていたら、シンガーミシンが35ドルとあり、彼らの目からはどこもおかしいところなし。ほんの少しボビンケースのあたりを直せばいいことだったらしい。お買い得という事で購入し、ミシンは別れた奥さんのもとへ。また、すぐさま次のシンガーミシンをガラージセールで目にする。使用説明書付きの新品。なんでもキシキシして回りがよくないとのこと。提示金額は5ドル、どうみても前の35ドルのものよりも新品で、耳を疑い50ドルかと思い(Rの英語は未だ不完全)、高すぎるといったところ、2ドルに下げてきたとのこと。てっきり20ドルだと思って20ドル紙幣を渡して、車に乗り込んだら18ドルお釣りがきてビックリ。15ドル払って購入した油をさしたら新品のそのもの。そして、これは、友人のアラのところへ。カナダ人とは、カナダ社会とはなんて愚かな、、と思ったとの事(今もかな)。ということで、ロバートのミシンを待つ事にした。

帰り際に、広告と混じってIKEAの新しいカタログが入っていたから持っていけという。ちなみにロバートは現在ポーランドに一家で帰国中の友人Zの家に住み込み留守番をここ3週間している。Zが見るかもしれないからいいよというと、ZはIKEAなんかで死んだって買い物しないから大丈夫だといわれた。なるほどそれは確かだ。私も愚かな人種の一人かな?ハハハ。

"Liar's Poker", Michael Lewis, を読む

生後3週間の子猫2匹、生後6ヶ月のクロネコ2匹、トラ猫2匹の里親を友人が探しています。

マイケルルイスは証券会社全盛時代のソロモンブラザーズに新入社員の120人の一人として入社。ウォールストリートのナンバーワンが崩壊していく姿を内側からユニークに描く。新入社員研修というものが何週間にもわたって行われる。1列目はハーバードビジネススクール出身、そして、その他のアイビーリーグ出身者、一番後ろはその他モロモロ大学出身者で講師たるトレーダーをからかう不真面目者。さて、日本人はどこに座るかというと、一番前に5人全員陣取る。そして、ひたすら寝ているそうだ。ソロモンブラザーズは東京での拠点強化を図っていた頃なので、まぁ、日本人研修生はお客さま。または、英語がわからないから寝ているのか、日本人特有の寝ているようで実は聞いているという姿勢なのか、話題になっている。不真面目な最後列のやつらは日本人リーダー格のヨシという人物が何分で眠りこけるかかけたりしている。

会社の崩壊はコーポレートカルチャーの崩壊でもある。ソロモンブラザースが、以外や以外、義理と人情から始まったのには驚き。そして、その後は派閥としてあれよあれよと崩れていく。稼ぎのいいトレーダーはみな巨大で、目をそむけたくなるくらいひたすら食べているそうだ。。。

ビジネス関係の本を読むのはヒジョーに珍しい。

"The Shadow of the Sun", Ryszard Kapuscinski, を読む

曇り晴れ、20度。水曜日には32度に上がるとの予報。夜には既にこおろぎの声

カプチンスキーはポーランド人の海外特派員。50年代後半のガーナの独立から始まるアフリカの年の60年代を自分の目と足で実体験し、その後のウガンダのアミン、ルワンダの民族紛争、エチオピアの飢餓という世界的にセンセーショナルなニュースを彼の視点で分析。そしてその分析は冷静で説得力があり、見せかけの偏った報道しか目にしない者にとっては目からうろこ、また偏った報道しかしない記者にとっては穴があったら入りたいといった感じだと思う。

文章は時にしつこいくらいに形容詞が並ぶけれど、これはヨーロッパ言語では表現できないがための努力の末のもの。本人は、アフリカの奥の奥に現地人と車で入り込み、生と死をわける体験を何度もしている。そして、道路事情といえるかどうかだけど、アフリカでのドライブを迷路と度々表現する。また、植民地時代、奴隷制、東西冷戦がアフリカに残したものを非難するのではなく後戻りのできない史実として受け止め、その史実がアフリカでのものであるが故にどう現在に至っているかを語る。

大学でエチオピアの最後の王ハイルセラシの最後を書いた「エンペラー」を読まされたのを覚えている。この本も、カプチンスキーによってかかれたものだったと知り、もう一度読んでみようと思っているところ。

最近は仕事が忙しくてちょっと困っている。。。

Sunday, August 05, 2007

ポーランド人ジヴィの人生観

8月5日。30度。連日32度を超える。水曜日は36度。木曜日の夜中雷雨。

ポーランド人の友人ジビィは、高校をでてドイツのタイヤ工場で働きドイツ語を覚える。その後、リビアでタイヤ技術指導員として働き、アラビア語もマスターする。そして、リビアの寂寞とした土地で、おいしい野菜を食べるがために家庭菜園感慨農業を実施し、名物男としての名をあげたらしい。そして、ここカナダでも同じである。昼間は自前のオンボロトラックで運送業。小川の流れる広い敷地にある自宅に帰ると、日が暮れるまで、家庭菜園の手入れと、馬、あひる、うさぎ、にわとり、はとの世話に時間を費やす(プラス猫7匹、そして犬のディンゴが走り回る)。

ジビィの家族といると、彼(彼ら?)の明確な人生観を知る事が出来る。つまり、人間の営みとは何かという質問に、ジビィは的確に答えることが出来るのである。ジビィのいう人間の営みとは、次世代を担う子供を産み育て、自分の食は自分で汗を流して確保する、汗を流して得たところに喜びがあるというもの。この人達の食卓に大量生産コスト削減のために生産された食べ物は見られないし、遠く何万キロも離れたところから収穫(生産)された食材は並ばない。全てローカル産(自前)のものである。本来の食べ物の味を知っている彼らに見せかけの食材は通用しない。。本当の贅沢とはこうした生活にあるのではないかと感じる