Tuesday, October 28, 2008

「仏果を得ず」、三浦しをん、「波のうえの魔術師」、石田衣良、を読む

プロジェクトのピークが終わったことを確信。異常な残業もなく、5時で帰宅の途につくことができるようになりました。ちょっと燃焼症候群状態で、自分の生活パターンに戻るのに少々とまどっているところ。。

全く趣のことなる2冊の本で、一気に読み終える。読後の印象は、なんだか、何かをテーマとした漫画本の小説版といった感じ。たとえば「食」をテーマにした「美味しんぼ」とか、フランス革命を舞台とした「ベルばら」とか(古い!)。「仏果。。」は、読者に文楽を紹介するという点ではすばらしいし、キャリアをもつシングルマザーと文楽家との恋愛という形も日本では新鮮かもしれないけれど、文学として優れているかというと、今年度のヒットチャートをにぎわしたという程度のものにすぎないような。。。文章は結構読ませるかな。「波のうえの魔術師」にいたっては、1998年の日本金融破綻のさしせまった状況を総復習できるかもと思ったけれど、結局青春小説で終わってしまったという感じ。文体もつまらないし、人物描写が村上春樹のそれを真似ているような印象もうけないでもない(なんとかブランドの何を着ているとかね)。

前述の村上春樹のインタビューで、批判するのは簡単だしおもしろい、一方で、オリジナリティを発揮するのは非常に難しい、でも、誰かがオリジナリティを発揮せねばならないとある。

メットHDオペラ:サロメ、10月11日

1幕休憩なしのサロメは、中盤から一気に盛り上がり、フィンランド出身のソプラノ歌手カリタマティラの絶対的な迫力に圧倒された。

サロメの一場面で7つのヴェールを脱いでいくシーンがあり(いわゆるストリップです)、2004年にメットオペラでサロメを歌ったカリタは上半身裸の姿で観客と向かい合ったそうだ。ということもあり、今回メット総支配人は今回は上映スクリーンにそうした場面をお見せする事はありませんと先に説明があったらしい。実際は、上半身裸の後姿から、両手の平で乳房を隠すポーズで一瞬ふりむいた!ヨーロッパでは、数人のソプラノ歌手が上半身裸の姿を観客にみせており、あるソプラノ歌手はその姿で5分間も歌いつづけていたそうだ。

昨年のメットでカリタマティラはマノンレスコーの役を演じている。このときは、なんとなくヒステリックな印象で、迫力あるけれど、あまり好きなタイプじゃないなぁ~という印象だったけれど、今回の体当たりの演技で、ファンになったかな。

次回はメット初演のドクターアトミック。原子力爆弾発明者の話のよう。予告の感じではオペラというよりミュージカルの印象をうける。

村上春樹ニューヨーカーフェスティヴァルに登場:10月5日

ここのところ朝晩は零下。

毎年恒例のニューヨーカーフェスティヴァル。今年は村上春樹がゲストとして招待されインタビューを受けていた。なんでも、入場券は発売からわずか11分で売り切れるという記録的なものだったらしい(マルコム講演はいつも売り切れるけれど、11分以上かかっていたはず)。

村上によると、彼の小説の秘訣は、1.インスピレーション:ある日突然作家になった。どうして作家になったのかはわからない、2.文学に必要な要素を3つあげると:理性、調和、そして、即興性、3.はずみ:次のページをめくって読みたい、でも次のページにはなにもない、だから書かなくちゃいけない、次に何が起こるのかわからない、だから、書く、、の繰り返し。4.幸福:主人公が幸せだと、物語にならない、5.作家に必要不可欠な剛健さ:時にはロッキーになる必要あり、6.書くといくこと:喜び

観客の中から、村上の本を通じて日本人女性と結婚したというカナダ人が立ち上がり、妻から「こんにちは」とくれぐれも伝えてくれといわれましたと発言。そうすると、後方から、ぼくなんてオーストラリアから来たよ!との声があがったとのこと。

ニューヨーカーフェスティヴァルの入場券購入はかなり難しいとみているのだけど、みなどうにかこうにか購入しているのね。

村上春樹ってやっぱり世界的な人気作家なんだ。

Thursday, October 16, 2008

カナダ文明博物館へ行く;9月27日


9月26日の金曜日から28日にかけてオタワへ行ってきた。

今回は初めてのカナダ文明博物館へ足を運ぶ。ギリシア文明とヨーロッパ文化なる展示の最終日ということもあり、その日は結構な入場者数だった。ギリシア文明からビザンチン帝国の繁栄、そして現代にいたる。まるで世界史の総復習をしている感じだった。あ、そういえば、そんなこと習ったような。。。。グレングールドの展示もあったけれど、時間ぎれで足を運べず。。。

とても広い博物館の一部を歩いただけ、でも大ホールというトテームポールの聳え立つホールがあり、そこで、なにかのパーティーが企画されていた。二人のダンサーのリハーサルをそこで観る。

この博物館の建物はとてもユニークなデザイン。http://www.civilization.ca/splash.html子供博物館も併設されているようで、今「日本の自然との調和」なる日本の四季の風物詩なるものをやっているようだ。