日本語は「動物農場」。高校生のころ読んだ記憶があるけれど、今回読み返してみると、なんにもわかってなかったな~、というのが実感。知的にかなり未熟だった(今もだけど)。。
第二次世界大戦真っ只中に書かれたこの本は、どの出版元も出版を拒否した背景があるとのこと。ということで自費出版ではじまり、1945年に小さな出版元が二束三文で出版に同意したとある。アメリカのランダムハウスはアメリカで動物の話は売れないと全く興味をしめさず、なんたってデズニーランドの文化の国だよ、と冷たく返事がきたとある。
自費出版にあたっては、出版の自由という前文を挿入し、イギリス政府の情報省(Ministry of Information)によるセンサーシップを非難している。その背景にはドイツを拒みソビエトと同盟を結んでいた英国の戦時下の状況があり、チャーチルは批判しても、スターリンへの批判など問題外だという風潮だったらしい。また、マルクス主義という思想とユートピア幻想、そして全体主義の恐怖、この時代世界は混沌としていた感がある。
第二次世界大戦後、難民キャンプにいたウクライナ人がたまたま目にした英語版を片言ながらも読み、直にオーウェルに翻訳許可依頼の手紙を書いたそうだ。そして、オーウェルは翻訳許可に無償で同意し、彼自身がウクライナ語版用に特別の前文を書いている。今、ウクライナ人はこの本を覚えているだろうか。。
今回読んだ本は2010年に出版されたもので、初版の出版元が創立100周年を記念して発行したもの。Christopher Hitchens という人が前文を寄せている。また、巻末に、オーウェルの前文Freedom of press とウクライナ語版にむけた前文が含まれている。
初版からほぼ70年経ても考えさせられる本。時代を経ても、本質的に人間社会はかわらないといことか。。。未だ中国やミャンマーそして北朝鮮では読まれることのない本らしい。
森林公園の散策道。雪解け水と雨で一面は洪水状態。12月のアイスストームで大木が倒れている |
アイスストームで倒れた大木が散策道をふさぐ |
マグノリアはまだ硬いつぼみ |
チューリップはまだ花を咲かせず、ヒヤシンスと水仙がかろうじて春の気配をつげる |
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