Tuesday, October 28, 2008

「仏果を得ず」、三浦しをん、「波のうえの魔術師」、石田衣良、を読む

プロジェクトのピークが終わったことを確信。異常な残業もなく、5時で帰宅の途につくことができるようになりました。ちょっと燃焼症候群状態で、自分の生活パターンに戻るのに少々とまどっているところ。。

全く趣のことなる2冊の本で、一気に読み終える。読後の印象は、なんだか、何かをテーマとした漫画本の小説版といった感じ。たとえば「食」をテーマにした「美味しんぼ」とか、フランス革命を舞台とした「ベルばら」とか(古い!)。「仏果。。」は、読者に文楽を紹介するという点ではすばらしいし、キャリアをもつシングルマザーと文楽家との恋愛という形も日本では新鮮かもしれないけれど、文学として優れているかというと、今年度のヒットチャートをにぎわしたという程度のものにすぎないような。。。文章は結構読ませるかな。「波のうえの魔術師」にいたっては、1998年の日本金融破綻のさしせまった状況を総復習できるかもと思ったけれど、結局青春小説で終わってしまったという感じ。文体もつまらないし、人物描写が村上春樹のそれを真似ているような印象もうけないでもない(なんとかブランドの何を着ているとかね)。

前述の村上春樹のインタビューで、批判するのは簡単だしおもしろい、一方で、オリジナリティを発揮するのは非常に難しい、でも、誰かがオリジナリティを発揮せねばならないとある。

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