Thursday, April 03, 2008

ジョゼフ(ユーゼク)

晴れ、最高気温7度。日曜日は14度になる予報。

ジョゼフ(ユーゼフ)が英国で心臓発作で亡くなったいた。享年63歳、腕利きの家具造り職人だった。

中学を出てから親類の家具職人見習として始めたらしい。30代でカナダに渡り、品質の良い家具造りで生計をたて、弟も彼を頼ってカナダにやってきた。私達とであったのは彼が40歳位の時だったと思う。その頃、弟の方は、妻も子供もいて移民としての生活を築き始めていたのに対し、ジョゼフは相変わらす、移民の資格を得るために弁護士に大金を払い続けているという有様。そして、残りの収入の使い道はポーランドにいる家族への仕送りと毎日の飲み代。ジョゼフとの写真を見ると、いつも乾杯していて背景にミニクリスマスツリーが映っている。知らない人が見るとあたかもクリスマスの時に撮られた写真のように思うけれど、これは日常の一こまに過ぎない(クリスマスツリーは1年365日そこにある)。月曜日1本、火曜日1本、、とウォッカのビンがソファの横に並ぶ。お金目当てのようなガールフレンドも入れ替わり立ち代り。皆が忠告しても、気にせず。

毎日ほこりにまみれて仕事し、家に帰って飲んで、ベットの中でテレビをみながら、酔いつぶれて朝を迎えるという生活パターン。彼の人生の後半はこの規則正しい繰り返しだったと思うと複雑な気持ちにならないでもない。。。

カナダでの最後は、ポーランド人街で間借りしていたところ、同居人とトラブル。警察が呼ばれ、身分証明書を求められて即強制送還となった。これが5年ほど前だろうか。その頃には、ポーランドにいる妻は見切りをつけていたらしい。ポーランドに帰っても結局行き場がなかったわけだけれど、その頃タイミングよく(?)ポーランドのEUへの参加とイギリスとの就労協定が結ばれ、英語ができる(ちなみに彼の英語は片言)ということで即イギリスで働き始めたと聞いていた。なんて運のいいことと元亭主と笑っていたものだけど、結局、異国で一人倒れているところを見つけられたのではないかと思うと悲しくなる。

ジョゼフにまつわる話は本当に沢山あり、傑作なのはカナダに見切りをつけアメリカに渡ったときの話。結局、カナダがいいということですぐさま再び国境をこっそり渡る。その時に警察につかまるのだけど、「なんでまたカナダに戻ってきたんだ?」という質問に、I love Canada. と返事したことで無罪放免になってしまった(まるで漫才)。また、共産主義が崩壊し、もう政治移民としての手段も失われ、益々ジョゼフの移民の資格取得が難しくなると、残りはホモセクシュアルであるという手段しかないぞ、、などと言う話で大笑い(ジョゼフがホモセクシュアルなんて不可能、あんなに女好きなんだもの)。。

引越しの時に、ジョゼフの作ってくれた本棚も分解し、今は棚の部分が手元にあるだけ。バナナのようのな大きな指と手が懐かしい。。。合掌。

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