Sunday, August 19, 2007

"The Shadow of the Sun", Ryszard Kapuscinski, を読む

曇り晴れ、20度。水曜日には32度に上がるとの予報。夜には既にこおろぎの声

カプチンスキーはポーランド人の海外特派員。50年代後半のガーナの独立から始まるアフリカの年の60年代を自分の目と足で実体験し、その後のウガンダのアミン、ルワンダの民族紛争、エチオピアの飢餓という世界的にセンセーショナルなニュースを彼の視点で分析。そしてその分析は冷静で説得力があり、見せかけの偏った報道しか目にしない者にとっては目からうろこ、また偏った報道しかしない記者にとっては穴があったら入りたいといった感じだと思う。

文章は時にしつこいくらいに形容詞が並ぶけれど、これはヨーロッパ言語では表現できないがための努力の末のもの。本人は、アフリカの奥の奥に現地人と車で入り込み、生と死をわける体験を何度もしている。そして、道路事情といえるかどうかだけど、アフリカでのドライブを迷路と度々表現する。また、植民地時代、奴隷制、東西冷戦がアフリカに残したものを非難するのではなく後戻りのできない史実として受け止め、その史実がアフリカでのものであるが故にどう現在に至っているかを語る。

大学でエチオピアの最後の王ハイルセラシの最後を書いた「エンペラー」を読まされたのを覚えている。この本も、カプチンスキーによってかかれたものだったと知り、もう一度読んでみようと思っているところ。

最近は仕事が忙しくてちょっと困っている。。。

2 comments:

Anonymous said...

どうもご無沙汰しています。
Kapuscinskiも亡くなってしまい残念。日本語訳は「帝国」(工藤幸雄訳)などがありますが、日本ではあまり知られておらず、これも残念。もっと知られてしかるべき作家だと思います。工藤氏は彼の他の著書も出したいと思っているようですが、日本の出版社はどこも尻込みしている模様。なお、Kapuscinskiの発音はカプシチンスキがより原音に近いです。
前にコメントをいただいた「Persepolis」は園田恵子訳でバジリコ株式会社から日本語版が出ています。1巻を読み終えたところです。

Jasmine said...

コメントと発音の訂正、ありがとうございます。そうですか、カプシチンスキ氏は亡くなられていたんですか。ここ15年から20年くらい、日本でも開発教育とか途上国への関心が高まり、大学院も増設されているのですから、経済とか教育といった縦割りの専門分野のみならず、副読本として、こうした本を学生に読んでもらいたいものですね。
3年前にお友達に紹介したとき、Persepolisの翻訳はまだ出ていませんでした。これは、結構売れるかもね。2巻は1巻とトーンが異なりますが、おもしろいです。