Sunday, March 02, 2008

「崩れ」、幸田文、を読む

穏やかなな日曜日。今晩からみぞれ。

日本ではどんな本が人気なのかなぁという興味から、インターネットで検索し、ウェブ本の雑誌というサイトに出会ったのが約1年くらい前だろうか。その中に作家の読書道というセクションがあり、人気作家の読書暦を披露する。ここで紹介されるのは比較的新進気鋭の作家で、彼らの作品は殆ど読んだ事がない。でも、彼らの読書暦から触発されて読んでみた本が多々ある。外国文学もその一つで、ポールオースターなど読み始めたのも、ここで紹介されていたからだと思う。

「崩れ」は、旅行ノンフィクション作家という看板の宮田珠巳という作家の紹介。作家は幸田露伴の娘で、崩れという現象に着目し、それを言葉で表現する。72歳の作家は時には、おんぶされながら日本の山の崩れを訪ねる。これを読むと、数年前の新潟での地震や土砂崩れを思い出さずにはいられなかった。崩れとは、地質的に弱いところということ。美しい日本列島はまさしくそうした弱い地盤で形成されている。

とても美しく柔らかい日本語で荒々しい自然現象が言葉にされている。

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