Thursday, February 11, 2016

The Narrow Road to the Deep North, Richard Flanagan

今週は冷え込み、マイナス15度

マンブッカー賞受賞という見出しと第二次世界大戦中の日本戦争捕虜収容所での話、、ということで読むきっかけに。

作家はオーストラリア人。父親から聞かされた日本人占領下のビルマでの鉄道建設の戦争捕虜体験が書くきっかけとなったとのこと。確かに過酷で野蛮な強制労働の様子が描かれているけれど、同時に日本人、日本文化への造詣の深さが伺われ、憎悪というよりも、その時代に余儀なく生きた日本人軍人の姿が描かれているという感じがしないでもないかな。最後の章は、オーストリア人、在日韓国人、日本旧軍人のそれぞれの戦後の生き方と死。戦中、戦後という時代の変遷とともに生きた主人公オーストラリア人医師の一人生が語られる。

芭蕉や一茶の俳句が英語訳で織り込まれている。このタイトルも実は芭蕉の「奥の細道」にあたるらしい。


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