Monday, May 28, 2007

「死と生をめぐる思索」、香原志勢、を読む

5月22日、この週末はビクトリア女王のお誕生日で3連休。畑の準備と雑草とりで手足がイタイ。気温22度くらい。人類学者という立場でGHQでの戦死者の個人識別という仕事と、戦前、戦中、戦後を通しての「死」と「生」の思索。科学者として「死」を客観的に見つめつつ、その時代と家族の「死」を通して「生」を思索する。そして、今老いの訪れの中で「死」の足音を身近に感じている著者。疎開せず東京に残った戦中戦後の混乱期の話は、極限に近いものがある。ありきたりだけれど、高度成長という豊かな時代に生まれ育った自分がなんと幸運だったかと思った。コワイ話かと思ったけれど、さすが科学者。淡々と書いています。最近、晩節を汚さずして生きるという言葉に出会い、つまりどういうことだったっけと考えた。これは、後30分遅かったら、間に合いませんでしたよと言われたという人の手紙にあったものである。また、かれこれ10年前くらいになるが、東京の職場で一緒に仕事をした先生の奥様が先立たれた。その時の先生の手紙に、とってもつらいけれど、頑張って生きていかなくては、と書かれていた。先生自身も脳梗塞で倒れ、障害が残っているのに、その生きぬくことの強い意志を感じ、心から感動したのを覚えている。

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