Saturday, August 31, 2013

メットオペラ:ロベルトルパ-ジュのニューベルングの指環ドキュメンタリー

カーレッドホッセイニ読後、退屈して、テレビをつけたらPBSで2010-2011年、2011ー2012年メットシーズンのワーグナーのニュベルングの指環の舞台裏ドキュメンタリーをやっていた。

ワーグナーの超大作をシルクドソレイユのロベルトルパージュがプロデュースすると言うメットにとっての大きな賭け。オペラは進化していかなくてはならぬというメット支配人のピーターゲルブの経営方針による画期的な試みである。

「ラインの黄金」では、オープニング三日前のリハーサルで、最後のシーンの舞台装置が機能しない。そして迎えたオープニングの夜、やはりだめ。最後の最後に登場する歌手の代役のアクロバット陣営は、舞台下にロープでつながれ横たわって出番を待つけれど、そのままで幕がおりる。ステージマネージャーが、「だめだ、機能しない。どうする?。。。よし、そのまま終わりだ。。」という、冷静ながらもパニックを隠せない咄嗟の会話が聞こえる。オープニングから数日後の舞台リハーサルで、舞台設備が機能するのを確認し、今夜はニューヨークタイムズの評論家もくる。オープニングの不備の報復だ、、とピーターゲルブが舞台装置監督と話す。

「ワリキューレ」オープニングの夜、デボラボイドが、舞台登場。そして、すぐさま舞台装置の上ですべって転ぶ。裏方は、ライブは常に予期しないことが起こるもの、とさすがに冷静である。舞台前の控え室でデボラは、緊張した様子を隠せず、何でこの役をひきうけたのかわからない、と、カメラに向かってつぶやく。ワーグナーのリングでロベルトルパージュの新プロダクションなんて、エベレストに上るようなもの。。。と真っ青。オペラの舞台ではみたこともない巨大ばサーカス舞台とも思える舞台装置。ラインの黄金では、ラインの乙女達が宙に浮いて歌う。リハーサルで、ロープで支えられている一人のソプラノは、「怖い。立ち上がれない。」と、数メートル下から見上げる関係者に嘆く。高所恐怖症じゃだめね。
また、バスバリトンのアルベリッヒ役の大男もリハーサル中に不安定な舞台装置が安全じゃないといってあわや舞台拒否するような場面もあり、関係者数人が歩み寄り、ココはロープを使っているので揺れる感じがあるけれど、至って安全であると、強調する。そして、さらにのろわれたかのように、メット指揮者のラビーンが病気で降板、そしてジークフリート役のテナーがオープニングの4日前に体調を崩したとキャストから外れる。
急遽代打の副指揮者のイタリア人のファビオルイジがリハーサルに現れ、ルパージュとフランス語で、とっても複雑だ、、と不安を隠せない様子。

2時間あまりのドキュメンタリー。このドキュメンタリーは、プロジェクトマネージメント例として最高じゃないかしら。

メットで働きたいな~。

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